1月15日、WebKitで「New Safari developer tools provide insight into CSS Grid Lanes」と題した記事が公開された。この記事では、次世代のレイアウト機能「CSS Grid Lanes」の概要と、その複雑な構造を可視化するWebインスペクタの新機能について詳しく紹介されている。

以下に、その内容を簡潔にまとめて紹介する。
CSS Grid Lanes:メイソンリーレイアウトの標準化
CSS Grid Lanesは、これまでJavaScriptライブラリ(Masonry.js等)に依存していた「石積み(Pinterest風)」レイアウトを、ブラウザ標準のCSSのみで実現する新機能である。長らく議論が続いていたが、2025年末にW3Cにて「Grid Lanes」という名称と概念で仕様がほぼ合意され、現在は最終決定に向けた実装段階にある。
主な特徴とメリット
- 柔軟な配置: 列(または行)のサイズを固定しつつ、異なるアスペクト比のアイテムを隙間なく詰め込むことが可能である。
- 流動的な順序: コンテンツは定義した軸に対して垂直方向に流れる。列を定義した場合は「Waterfall(滝)」状に、行を定義した場合は「Brick(レンガ)」状に配置される。
- パフォーマンス向上: 画像の遅延読み込み時も、既存のアイテムを再配置(リシャッフル)することなく末尾に追加されるため、レイアウトシフトを抑制できる。

基本的な実装例
.container {
display: grid;
/* 3列のグリッドを定義 */
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
/* 行方向を石積み形式にする(現在の最新仕様案に基づく記述) */
grid-template-rows: masonry;
gap: 10px;
}
開発を支援する「順序番号」の可視化
Grid Lanesでは、アイテムが「隙間を埋めるように」配置されるため、HTML上の順序と見た目の順序が乖離しやすい。SafariのWebインスペクタには、これを解決するための強力なツールが追加された。
- Order Numbers(順序番号): 各要素に「Item 1」「Item 2」といったラベルを表示。これにより、アクセシビリティ(タブ移動や読み上げ順)の確認が劇的に容易になる。
- 高度なオーバーレイ: グリッド線やトラックサイズ、領域名を制限なく同時に表示可能。複雑なGrid Lanesの構造をリアルタイムに解析できる。

ブラウザの対応状況と今後の展望
2026年1月現在、Grid Lanesは主要ブラウザで実装が進む「実験的機能」のフェーズにある。
- Safari: Technology Preview 234以降で先行実装。今回のツール対応により、開発環境が最も整っている。
- Chrome / Edge: 実装が進んでおり、フラグ設定(Experimental Web Platform features)を有効にすることでテスト可能。
- Firefox: 最新の仕様案(Grid Lanes)への準拠を進めており、フラグ設定で利用できる。
主要ブラウザでの足並みが揃いつつあり、2027年頃には標準的なブラウザ環境で広く利用可能になると予測される。
まとめ
Safariが提供を開始した新しい開発ツールは、Grid Lanesという新しいレイアウト手法を「手なずける」ための強力な武器となるだろう。仕様がほぼ固まった今、次世代のスタンダードを先取りして検証を始める絶好のタイミングといえる。
詳細は「New Safari developer tools provide insight into CSS Grid Lanes」を参照していただきたい。