1月13日、海外のテクノロジーメディアLinuxiacが「Firefox 147 Now Available for Download, Here’s What’s New」と題した記事を公開した。この記事では、MozillaによるオープンソースWebブラウザの最新アップデート版「Firefox 147」の主要な新機能や改善点について詳しく紹介されている。

以下に、その内容を紹介する。
Firefox 147は、前バージョンの146から約1ヶ月を経てリリースされた。本バージョンでは、グラフィックス、プライバシー、パフォーマンス、および各OSへの統合に関して多岐にわたる更新が行われている。
主な新機能および改善点は以下の通りである。
- WebGPUの拡張: Appleシリコン搭載のすべてのmacOSにおいて、WebGPUがデフォルトで有効化された。WebGPUとは、WebブラウザからデバイスのGPU(グラフィックス処理装置)に効率よくアクセスし、高度な3D描画や計算処理を可能にする次世代の標準APIである。
- ビデオ再生の効率化: AMD製GPUを搭載したLinuxおよびWindowsシステムにおいて、ハードウェアデコードされたビデオのゼロコピー再生が有効化された。これにより、メモリ負荷の軽減と再生効率の向上が図られている。
- Safe Browsingの移行: Safe BrowsingがV4からV5へ移行を開始した。Safe Browsingとは、フィッシング詐欺やマルウェアを含む危険なサイトを特定し、ユーザーがアクセスしようとした際に警告を表示する保護機能である。V5ではローカルリスト方式を採用することで、プライバシーを保護しつつ安全性を維持する。
- Android版のサイト分離: Android版において「サイト分離」がデフォルトで有効化された。サイト分離(Site Isolation)とは、各Webサイトを個別のOSプロセスで実行することで、あるサイトの脆弱性を突いた攻撃が他のサイトの情報(パスワードやクッキーなど)を盗み出すのを防ぐセキュリティ構造である。
- 自動ピクチャー・イン・ピクチャー(PiP): ビデオ再生中のタブがバックグラウンドに移動した際、自動的にPiPウィンドウを開く設定が追加された。
- 圧縮辞書による高速化: IETF RFC 9842で定義された「圧縮辞書」をサポートした。圧縮辞書(Compression Dictionary Transport)とは、過去にダウンロードした共通のデータパターンを「辞書」として再利用することで、データ転送量を劇的に削減し、特に低速な回線でのページ読み込み速度を向上させる技術である。
- APIおよびCSSの拡張:
CompressionStream等の拡充に加え、CSSアンカーポジショニングが導入された。これは特定の要素(アンカー)を基準に別の要素を配置する手法で、ポップアップやツールチップの実装を簡素化する。また、JavaScriptからCSSファイルを直接読み込むCSSモジュールスクリプトにも対応した。 - Linuxデスクトップとの統合改善: Freedesktop.orgのXDG Base Directory Specificationをサポートし、設定やデータの保存先が標準的なLinuxの慣習に準拠した。
- ディスプレイ描画の最適化: Mutterを採用したGNOME環境において、フラクショナルスケーリング時のレンダリングがより鮮明になるよう改善された。
- バグ修正: ドラッグ&ドロップの挙動、Windows環境でのタブ選択、HTTP/3の互換性、言語ネゴシエーションの不整合など、複数の問題が修正された。
現在、本アップデートはMozillaのサーバーから直接ダウンロード可能である。WindowsおよびmacOSユーザー向けには数日以内に自動更新が配信され、Linuxユーザー向けにも各ディストリビューションのリポジトリを通じて順次提供される予定である。
詳細はFirefox 147 Now Available for Download, Here’s What’s Newを参照していただきたい。