10月26日、Rust Coreutils 0.3がリリースされたことを海外のテクノロジーメディアPhronixが報じた。

この記事では、Rust製のGNU Coreutils代替実装「Rust Coreutils(uutils)」のバージョン0.3がリリースされ、パフォーマンスの大幅な向上とGNU互換性の改善が図られたことについて詳しく紹介する。
Ubuntu 25.10で採用され注目を集めるRust Coreutils
Rust Coreutilsは、Rust言語で書かれたGNU Coreutilsの代替実装であり、安全性とモダンな設計を特徴としている。特に、Ubuntu 25.10がデフォルトでRust Coreutilsを採用したことで、開発コミュニティから注目を集めている。
今回の0.3リリースは、このプロジェクトにとって大きな前進となるもので、より多くのGNUテストスイートに合格するようになった。具体的には532個のテストを通過し、約84%の合格率を達成したという。
この改善により、GNU Coreutilsとの挙動の差がさらに縮まり、互換性が大きく向上した。エラーハンドリングも改善され、GNU版との動作一致性が高められている。
各コマンドの高速化 — 最大3.7倍の性能向上
Rust Coreutils 0.3では、性能面でも顕著な改善が報告されている。GNU Coreutilsと比較して、以下のような速度向上が確認された。
base64:1.2倍高速expand:1.8倍高速unexpand:1.5倍高速nl:1.57倍高速sort:最大3.72倍高速fold:1.17倍高速uniq:1.13倍高速
この結果、ファイル操作やテキスト処理を行う日常的なタスクにおいても、Rust Coreutilsの採用によって顕著な速度向上が期待できる。Rustの所有権モデルによるメモリ安全性とパフォーマンスの両立が、こうした成果を支えているとみられる。
互換性と性能の両立へ
uutilsプロジェクトは今後も、GNU Coreutilsとの完全互換を目指しつつ、Rustの特性を活かした安全で高性能な実装を進める方針だ。これにより、LinuxディストリビューションにおけるRust採用の流れがさらに加速する可能性がある。
詳細はRust Coreutils 0.3 Released With Some Major Speed-Ups, Better GNU Compatibilityを参照していただきたい。