10月18日、海外のテクノロジーメディアPhoronixが「New Linux Kernel Patches From Intel Delivering +18% Database Performance」と題した記事を公開した。この記事では、Intelによる新しいLinuxカーネルパッチがデータベース性能を最大18%向上させる可能性について詳しく紹介されている。
以下に、その内容を紹介する。
Intelは最近、「キャッシュ認識スケジューリング(Cache Aware Scheduling)」による性能向上パッチをLinuxカーネルに投稿したばかりだが、それとは別に、新たなパッチシリーズが今週送られた。このパッチはLinuxカーネルの低レベルなメモリ管理コードを再設計するものであり、特にデータベースワークロードにおいて最大で14〜18%の性能向上を示す初期ベンチマーク結果が報告されている。
今回のパッチを投稿したのは、Intel傘下のLinutronixに所属するIntel FellowのThomas Gleixner氏だ。彼はLinuxカーネルのメモリ管理サブシステムの一部である「Memory-Mapped Concurrency ID(MM CID)」コードを再実装する、19件におよぶ大規模な改修パッチを提案している。
PostgreSQLで最大18%の性能向上
記事によると、このMM CIDコードの改良によって、sysbench
ベンチマークを用いたPostgreSQLのテストで最大14%の性能向上が確認された。また、別のブランチのコードではさらに3%の追加改善が見込まれているという。
さらに、スレッドの作成と破棄を繰り返す「thread-create teardown」マイクロベンチマークでは、従来の上流版Linuxカーネルに比べて最大30%もの改善が見られた。
これらの結果はまだ初期段階のものであり、Intelでは他のワークロードや利用ケースでの検証を進めている段階だ。さらなるベンチマークデータの収集と、改善の余地がある箇所の特定が今後の課題とされている。
なお、このパッチシリーズの詳細や議論はLinux Kernel Mailing List上のスレッド
「https://lore.kernel.org/lkml/20251015164952.694882104@linutronix.de/」
で確認できる。
詳細はNew Linux Kernel Patches From Intel Delivering +18% Database Performanceを参照していただきたい。