10月14日、OpenAI Blogで「OpenAIとBroadcomが、OpenAIが設計した10ギガワットのAIアクセラレータを展開するための戦略的提携を発表(OpenAI and Broadcom announce strategic collaboration to deploy 10 gigawatts of OpenAI-designed AI accelerators)」と題した記事が公開された。この記事では、OpenAIが自社設計によるAIアクセラレータをBroadcomと共同開発し、2026年後半から2029年末にかけて10ギガワット規模で展開する計画について詳しく紹介されている。以下に、その内容を簡潔にまとめて紹介する。
提携の概要
OpenAIとBroadcomは、10ギガワット規模のカスタムAIアクセラレータを共同開発・展開する戦略的提携を締結した。
このアクセラレータおよびシステムはOpenAIによって設計され、BroadcomのEthernetおよびネットワークソリューションを基盤として構築される。両社は、AI需要の爆発的な増加に対応するため、OpenAIの施設およびパートナーデータセンターにこれらのラックを配備する計画である。
両社はすでにAIアクセラレータの共同開発および供給契約を締結しており、Broadcomのネットワーク技術を組み込んだラックを展開するためのタームシートに署名している。
OpenAIの狙い:自社設計による最適化
OpenAIは、自社でAIチップおよびシステムを設計することで、フロンティアモデルや製品開発の知見をハードウェアに直接組み込み、新たな性能と知能レベルを引き出すことを狙っている。
共同創業者でCEOのサム・アルトマン(Sam Altman)は次のように述べている。
「Broadcomとの提携は、AIの可能性を解き放ち、人々と企業に実際の恩恵をもたらすための重要な一歩である。自社アクセラレータの開発は、AIのフロンティアを押し広げるために必要なインフラ構築の一環だ。」
同じく共同創業者でプレジデントのグレッグ・ブロックマン(Greg Brockman)も、自社設計の利点を強調した。
「自社チップの開発により、これまでに得た知見をハードウェアに直接反映でき、AIの能力と知性を次の段階へ引き上げられる。」
Broadcom側の視点:Ethernet中心のスケーラブル設計
Broadcomの社長兼CEO、ホック・タン(Hock Tan)は今回の提携を「汎用人工知能(AGI)実現に向けた転換点」と位置づけた。
「ChatGPT以来、OpenAIはAI革命の最前線に立ってきた。次世代アクセラレータとネットワークシステムの共同開発・展開により、AIの未来を切り開くことを誇りに思う。」
さらにBroadcom Semiconductor Solutions Groupのプレジデント、チャーリー・カウワス(Charlie Kawwas)博士は、同社のEthernetベースのアプローチがAIインフラ構築に最適であると述べた。
「カスタムアクセラレータは、標準化されたEthernetスケールアップ/スケールアウトソリューションと極めて相性が良く、コストと性能の両面で最適化された次世代AIインフラを実現する。」
これらのラックにはBroadcomのEthernet、PCIe、光接続ソリューションが一体的に組み込まれ、オープンかつ電力効率に優れたAIクラスター構築の新たな業界基準を打ち立てるとされている。
今後の展開と意義
Broadcomはこの提携を通じて、カスタムアクセラレータとEthernet技術をAIデータセンターのスケーラビリティ基盤とする方針を改めて強調した。
一方、OpenAIは8億人を超える週次アクティブユーザーを抱え、世界中の企業・中小事業者・開発者による採用が拡大している。今回の協業は、同社が掲げる「AGIが全人類に恩恵をもたらす」という使命を前進させるものである。
詳細はOpenAI and Broadcom announce strategic collaboration to deploy 10 gigawatts of OpenAI-designed AI acceleratorsを参照していただきたい。