10月8日、ReactチームがReact ファウンデーションの設立を発表した。この記事では、ReactとReact NativeをMetaから新たな独立組織「React Foundation(React財団)」へ移管し、技術的ガバナンスの新体制を構築する計画について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。

React Foundation設立の背景
Reactは10年以上前にMeta(旧Facebook)によってオープンソース化され、優れたユーザー体験を実現するためのライブラリとして広く普及してきた。初期の段階から、Reactは社外の開発者による多くの貢献を受けて成長しており、今ではMetaだけでなく、複数の企業が継続的に開発へ参加する巨大なエコシステムを形成している。
このような状況を受け、Reactチームは「もはや単一企業の枠を超えた存在になった」として、ReactとReact NativeをMetaから独立させる方針を示した。
React Foundationの概要と目的
新設されるReact Foundationは、React、React Native、JSXなどの関連プロジェクトの新たな拠点となる。主な使命は、Reactコミュニティとそのエコシステムを継続的に支援することにある。財団が担う具体的な役割は以下の通りである。
- GitHubやCI、商標などReactのインフラ維持管理
- 年次カンファレンス「React Conf」の運営
- エコシステム支援のための取り組み(助成金や資金援助プログラムの創設など)
財団の運営は理事会によって統括され、Seth Webster氏がエグゼクティブディレクターとして就任する予定である。理事会は、Reactの開発・コミュニティ・エコシステムを支えるための資金やリソースの配分を決定する役割を担う。この構造によって、React Foundationが特定企業に依存せず、中立的かつコミュニティの利益を最優先する形で運営されることを目指している。
創設メンバー企業として、Amazon、Callstack、Expo、Meta、Microsoft、Software Mansion、Vercelが名を連ねており、いずれもReactおよびReact Nativeエコシステムに大きな貢献をしてきた企業である。今後は、さらに多くのメンバー企業の参加が期待されている。
Reactの新しい技術ガバナンス体制
Reactチームは、今後の技術的方向性を決める主体は「実際にReactを開発・維持する人々」であるべきだと強調している。そのため、新たに設立される財団から独立した技術ガバナンス構造を導入する方針が示された。
これは、特定の企業や組織が意思決定を独占することを防ぎ、オープンで多様な意見を反映させるための仕組みである。
現在、Reactチームはこの新しいガバナンスモデルについてコミュニティからのフィードバックを募集しており、詳細は今後の投稿で明らかにされる予定だ。
詳細はIntroducing the React Foundation – Reactを参照していただきたい。