10月4日、Vercelが「Geist Font」を発表し、話題を呼んでいる。
Vercelは、自社のクリエイティブ文化を象徴する新しいフォント「Geist」を開発した。Geistは開発者とデザイナーの双方に最適化されたフォントであり、読みやすさと美しさの両立を目指して設計されている。
まずVercelは、可読性を最優先したモノスペース版(Geist Mono)の開発から着手した。モノスペースフォントはコーディング環境での視認性を重視しており、コードの整列や識別性を高めるために精密にデザインされている。
Geist Mono
その後、この基盤をもとに、より汎用的な用途に対応するSans版(Geist Sans)が追加されたことで、デザイン領域でも活用できるフォントファミリーとして進化を遂げた。
Geist Sans
Geistは、Vercelが掲げるシンプルさ・ミニマリズム・スピードというデザイン原則を体現している。特に、スイスデザイン(Swiss Design)運動から強い影響を受けており、構造的で明快、無駄を排したフォルムが特徴である。
注釈:スイスデザイン(Swiss Design)運動とは
1950年代のスイスで発展したモダンデザインの潮流で、「国際タイポグラフィ様式(International Typographic Style)」とも呼ばれる。グリッドシステム、非装飾的なサンセリフ体、明快なレイアウト、情報の階層構造を重視するのが特徴で、代表的なフォントにはHelveticaやUniversがある。今日のUIデザインやブランドデザインにも大きな影響を与えている。
このフォントは単なる美的要素にとどまらず、開発者やデザイナーの表現力を高めるツールとして位置づけられている。正確さ・明瞭さ・機能性を核とし、日々の開発・デザイン作業において視覚的な一貫性と集中力をもたらすものだという。
Vercelによれば、Geistは単なる書体ではなく、「Vercelコミュニティの創造的精神を体現する存在」であるという。開発とデザインの交差点に立ち、両者をつなぐ共通言語として設計されたフォントだという。
詳細はGeist Fontを参照していただきたい。