7月29日、Underpass App Companyが「Sign in with Google in Chrome」と題した記事を公開した。この記事では、Google One Tapによるサインインバナー/ダイアログがブラウザごとに異なる挙動を示す理由と、その無効化方法について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
Chromeだけが表示を抑制する理由
Googleは「One Tap」という仕組みで、Yelpなど多数のウェブサイトに「Sign in with Google」バナーを注入している。SafariとFirefoxでは下図のようにバナーがDOM要素として挿入される。

ところが同じページをGoogle Chromeで開くと、このバナーは一切出現しない。Safariの開発者向け機能でUser‑AgentをChromeに偽装するとバナーが消えることから、ウェブサイト側がUAを判定してChromeだけにバナーを送らないことがわかる。

しかしChrome独自のダイアログが現れる
Chromeにはバナーの代わりに、アカウントにログイン済みの場合に限りネイティブUIのOne Tapダイアログが現れる。

- このダイアログはページのDOMではなくChrome本体のUIであるため、ブラウザ拡張などでも非表示にできない。
- ダイアログが表示されている間はChrome拡張のポップアップが一切開かない。 拡張側の不具合ではなく、Chromeの仕様だ。
Chrome設定での無効化手順
幸い、Chromeは自前のダイアログを設定でオフにできる。
- アドレスバーに
chrome://settings/content/federatedIdentityApi
と入力して直接設定ページを開く。 - 「Block sign‑in prompts from identity services(IDサービスからのサインインプロンプトをブロック)」を選択する。

これでChrome内のOne Tapダイアログは表示されなくなる。
公正競争上の示唆
SafariやFirefoxではユーザーが手動で拡張機能を導入しない限りバナーが残り続けるのに対し、Chromeは標準でバナーを抑制しつつ自社UIを提示する。この差異は、Googleが自社ブラウザを優遇している事例として規制当局の検討対象になり得る――筆者はそう示唆して記事を締めくくっている。
詳細はSign in with Google in Chromeを参照していただきたい。