1月8日、BestOfJSが「2024 JavaScript Rising Stars」と題した記事を公開した。この記事では、2024年に注目を集めたJavaScriptエコシステムの主要プロジェクトやフレームワーク、それぞれの新機能や動向について詳しく紹介されている。
この記事に含まれる様々なライブラリ・フレームワークのランキングは、 2024年の1年間で各プロジェクトが獲得したGitHubスター数を元に評価し算出された もの。
元記事では、獲得したGitHubスターをグラフ形式で見ることができたり、年度を切り替えて参照できるなど、インタラクティブなサイトに仕上がっているので、ぜひ参照してみていただきたい。
総合的に最も人気のあるプロジェクト
サマリー
UIコンポーネントからワークフロー自動化まで、多彩な分野のプロジェクトが急成長を遂げており、しばしばAIとの連携が進んでいるのが特徴。2024年は、軽量かつカスタマイズ性の高いUIライブラリや、ノーコード/ローコードでのワークフロー構築が特に注目を集めている。
一位のshadcn-ui は今年最も注目されているプロジェクト。
開発者がコンポーネントを提供するのではなく、自身のコンポーネントライブラリを開発できるようにするというアイデアが、開発者の間から熱く支持されている。
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- アクセスしやすく、カスタマイズ可能なオープンソースのUIコンポーネント集
shadcn add
コマンドによる多彩なコンポーネントの導入- 公式サイトにてチャートやテーマ、ブロックなどの追加情報を提供
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- 手描き風の図表を作成できる仮想ホワイトボード
- AI機能との連携によりワイヤーフレームからのコード生成などが可能
- GitHubリポジトリ
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- NotionやMiroの要素を取り入れた次世代ナレッジベース
- オフラインファースト設計で、個人の知識管理にも向く
- 公式サイト
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- API探索・テスト用のオープンソースIDE
- PostmanやInsomniaの軽量代替として人気
- 公式ドキュメントも公開中
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- ビジュアルワークフローの自動化を実現するプラットフォーム
- ネイティブAI機能を搭載し、コード不要で高度な連携が可能
- GitHubリポジトリ
React エコシステム
サマリー
React本体は依然としてコミュニティが大きく、エコシステム全体で新しいツールやライブラリが次々と登場。特にサーバーサイドレンダリングやパフォーマンス向上をめざすフレームワークが盛り上がっている。
React
Next.js (The React Framework)
- React 19への対応やTurbopackなど、開発体験を大きく改善
- GitHubリポジトリ
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- 管理画面や内部ツール向けのReactフレームワーク
- GitHubリポジトリ
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- Reactパフォーマンスのボトルネックを自動検出
- UIの遅延箇所を可視化し、最適化を支援
Vue エコシステム
サマリー
Vue 3の普及に伴い、NuxtやSlidevといったメタフレームワーク・周辺ツールが進化を続けている。shadcn-vueのようにReact向けプロジェクトを移植して活用する動きも活発化している。
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- Vueのメタフレームワークとして定番
- GitHubリポジトリ
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- 開発者向けのプレゼンテーションツール
- GitHubリポジトリ
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- shadcn/uiをVue向けに移植したコンポーネント集
- 公式サイトにてセットアップ方法などを公開
バックエンド / フルスタックフレームワーク
サマリー
Next.jsが4年連続でトップを維持しつつ、軽量で高性能なWebフレームワークにも注目が集まる。サーバレスや複数ランタイム対応のフレームワークが特に人気。
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- Reactとの親和性が高く、フルスタック開発に利用される
- GitHubリポジトリ
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- Node.js・Deno・Bunなど多環境で動作するモダンなWebフレームワーク
- GitHubリポジトリ
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- コンテンツ重視のサイト構築を得意とするビルドツール
- GitHubリポジトリ
ツール
サマリー
パフォーマンスと開発者体験(DX)の向上を目指すツールが続々と登場。ESLintやWebpackなどの既存エコシステムを置き換えるような高速・高機能ツールが増えている。
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- PrettierやESLintに代わる高速な統合ツールチェーン
- GitHubリポジトリ
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- JavaScriptランタイム・バンドラ・テストランナー・パッケージマネージャを統合
- GitHubリポジトリ
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- webpack互換の高速バンドラ
- GitHubリポジトリ
モバイル開発
サマリー
React NativeやExpoがモバイル開発の定番として根強い人気を誇る一方、Webとネイティブを両立するユニバーサルな手法が注目を浴びている。AI活用やノーコードとの連携も広がりを見せている。
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- マルチプラットフォーム対応のReact Nativeフレームワーク
- GitHubリポジトリ
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- Reactでネイティブアプリを構築
- GitHubリポジトリ
状態管理ライブラリ
サマリー
シンプルかつ柔軟な設計のZustandやJotaiが人気を集める一方、XStateのように状態機械に基づく厳密な制御を好む開発者も増えている。アプリの規模や要件に応じて選択肢が広がっている。
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- Bear necessities(必須最小限)を掲げるシンプルな状態管理
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- アトムをベースにした柔軟な状態管理ライブラリ
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- 状態機械を用いた複雑なアプリケーションロジックの管理に強み
- GitHubリポジトリ
AI
サマリー
AIやLLM(Large Language Model)関連プロジェクトが大きく飛躍。ノーコード/ローコードツールとの連携や、ブラウザ上でモデルを動かす動きなど、多彩なアプローチが模索されている。
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- AIとの統合が進み、ノーコードで高度なワークフロー自動化
- GitHubリポジトリ
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- LangChainベースのビジュアルエディタでLLMワークフローを構築
- GitHubリポジトリ
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- プロンプトでフルスタックアプリを構築し、Supabaseに自動デプロイ
- GitHubリポジトリ
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- ブラウザ上でNLPモデルを実行可能
- GitHubリポジトリ
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- AIエージェントの統合を簡潔にし、ストリーミング対応
- GitHubリポジトリ
スタイリング / CSS in JS
サマリー
Tailwind CSSを中心に、ユーティリティファーストのアプローチが主流化。一方でDaisyUIのようにコンポーネントクラスを付与するライブラリや、React Native + Webを一括管理するTamaguiなど、選択肢が多彩になっている。
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- ユーティリティファーストのCSSフレームワーク
- GitHubリポジトリ
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- Tailwindにコンポーネントクラスを追加
- GitHubリポジトリ
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- React Native + WebのユニバーサルUIキット
- GitHubリポジトリ
コンポーネントライブラリ
サマリー
フレームワーク専用の最適化や、コピーペーストで導入可能な設計など、コンポーネントライブラリは多様化の一途をたどる。shadcn/uiはReactで大きな成功を収め、Vue移植版などへの波及も確認されている。
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- コピーペーストで導入可能なUIコンポーネント群
- GitHubリポジトリ
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- Vue向けの次世代UIコンポーネントライブラリ
- GitHubリポジトリ
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- モダンで美しいReact向けUIライブラリ
- GitHubリポジトリ
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- 豊富なReactコンポーネントを揃えたライブラリ
- GitHubリポジトリ
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- GoogleのマテリアルデザインをベースにしたReact向けUIフレームワーク
- GitHubリポジトリ
詳細は2024 JavaScript Rising Starsを参照していただきたい。