12月12日、Kubernetes v1.32: (Penelope)がリリースされた。
このリリースは44の改善点を含んでおり、そのうち13はStableに、12はBetaに、19はAlphaに昇格している。
主な改善点
Dynamic Resource Allocation (DRA) の強化
DRAの柔軟性と効率性を向上させ、GPUやFPGAなどの特殊ハードウェアを必要とするワークロードに適用可能となった。Structured parameter supportがBetaに昇格した。
ノードとサイドカーコンテナの更新における品質向上
kubeletの信頼性向上や、Podのイメージプルエラーのメッセージ改善などが行われた。また、サイドカーコンテナ機能はv1.33でStableを目指している。
Stableに昇格した機能のハイライト
カスタムリソースフィールドセレクター
カスタムリソースにフィールドセレクターを追加可能となり、API設計の向上に寄与する。
メモリバックボリュームのサイズ調整サポート
Podのリソース制限に基づいてメモリバックボリュームのサイズを動的に調整可能となった。
サービスアカウントトークンの改善
サービスアカウントトークンにノード名を含めることで、認可とアドミッションポリシーにおけるセキュリティが強化された。
Betaに昇格した機能のハイライト
Job API managed-byメカニズム
外部コントローラーによるJobの管理が可能となり、ワークロード管理の柔軟性が向上した。
設定されたエンドポイントへの匿名認証のみ許可
管理者が匿名リクエストを許可するエンドポイントを指定可能となった。
kube-schedulerの再キューイング精度向上
プラグインごとのコールバック機能により、スケジューリングの再試行が効率化された。
Alphaとして新たに導入された機能のハイライト
非同期プリエンプション
スケジューラーのスループットを向上させ、高優先度のPodが迅速にリソースを取得可能となった。
CEL式を用いたミューテーティングアドミッションポリシー
ポリシー定義が簡素化され、ミューテーションの競合が減少した。
Podレベルのリソース仕様
Pod全体でリソースリクエストと制限を設定可能となり、リソース管理が簡素化された。
詳細は[Kubernetes v1.32: Penelope」を参照していただきたい。