11月4日、How-To Geekが「Why You Should Learn Rust, Especially If You're New to Programming」と題した記事を公開した。この記事では、プログラミング初心者がRustを学ぶべき理由について、豊富な具体例を交えて詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。

Rustは、プログラミング初心者や熟練者の両方に役立つ「安全なコードの書き方」を学べる言語である。単にコードを書くためのツールではなく、コーディングの見方や考え方を変えるものであり、特に自己学習で始めたプログラマーには、欠かせない基礎を築く助けになる。

Rustを学ぶべき理由

• エラーメッセージの充実
  多くのプログラミング言語では、コンパイル時にエラーが発生すると、初心者には理解しづらいエラーメッセージが表示されることがある。Rustのコンパイラはエラーメッセージが非常にわかりやすく、単に「エラーがある」と通知するだけでなく、どこで何が間違っているか、どうすればよいかを具体的に教えてくれる。たとえば、コード内の変数名のスペルミスがあった場合、Rustは「この変数名が間違っていますが、こちらを使うべきではありませんか？」といった提案をしてくれるため、学習がスムーズに進む。また、コンパイラがエラーの原因を深く掘り下げて解説するため、初心者でも「なぜエラーが起きたのか」を理解しやすい。

• 厳格でありながらサポートのあるコンパイラ
  Rustのコンパイラは、一般的なプログラミングエラーに厳しく対応するが、その対応は「指導者」のように丁寧である。多くのコンパイラは、エラーが発生するとシンプルなエラーメッセージだけを返し、ユーザーがエラーを修正するための道筋は示さないことが多いが、Rustは異なる。たとえば、未初期化の変数を使用しようとした場合、Rustのコンパイラはその場で「この変数は初期化されていません」と警告し、対処方法を教えてくれる。このような厳格なチェックは、初心者がコーディングにおいて良い習慣を身につけるために非常に役立つ。

• 自動メモリ管理による簡便性
  C++やC言語のような低レベル言語では、メモリ管理がプログラマーの重要な仕事の一部となるが、Rustは所有権システムを利用してメモリ管理を自動化している。たとえば、大規模なアプリケーションを開発する際にはメモリの効率的な管理が必須であるが、Rustはこれを言語のシステムとして組み込んでいるため、初心者は複雑なメモリ管理を学ぶことなく高度なアプリケーションの開発に取り組める。この自動化により、メモリリークや不具合が減少し、より安定したソフトウェアを作成できる点が特徴である。

• サポート力のあるコミュニティ
  Rustのユーザーコミュニティは、非常に親切で支援的であり、初心者が質問しやすい環境が整っている。たとえば、初心者がつまずいたポイントをオンラインフォーラムに投稿すると、他の経験豊富なプログラマーが適切な回答やリソースを迅速に提供してくれる。たとえ同じ質問が過去に何度もされていたとしても、対応は優しく丁寧であるため、初心者が安心してRustの学習を進められる。

経験者にも魅力的なポイント

Rustは、初心者だけでなく、ある程度の経験を持つプログラマーにとっても魅力的な特徴を持つ。

• 自動メモリ管理と安全性
  Rustのメモリ管理は安全で効率的であり、バッファオーバーランやヌルポインタ参照のようなエラーを未然に防ぐ。Rustには「所有権」と「借用」といったメモリ管理の仕組みが組み込まれており、プログラムの安全性を確保する。たとえば、他の言語でよく見られるようなメモリリークがRustではほとんど発生しない。これにより、熟練プログラマーも安心してメモリ効率の高いプログラムを作成できる。

• 高性能かつ読みやすいコード
  Rustのコンパイラはコードの最適化にも優れており、低レベル言語のような性能を保ちながら、C言語に似た文法で可読性の高いコードを書くことが可能である。特に、Cファミリーの言語を使用しているエンジニアにとって、Rustの構造体や列挙型は使いやすく、学習コストも比較的低い。これにより、効率的かつレスポンスの良いアプリケーションを構築できる。

Rustを学び始める方法

Rustを学ぶためのリソースも充実しているため、初心者でも始めやすい。

• Rust公式ウェブサイト
  Rustの公式サイトには、インストール手順やチュートリアルが豊富に揃っており、特に人気のあるIDEとの統合方法についても詳しく解説されている。VS CodeなどのIDEを使用すれば、初心者でも簡単にRustの開発環境を整えられる。

• The Rust Programming Language
  「The Rust Programming Language」通称「Rust本」は、言語の仕組みを体系的に学べる書籍で、オンラインでも無料で公開されている。この本では、言語の基本から高度なトピックまで、幅広くカバーされているため、初心者から上級者まで参考になる内容である。

• Rustlings
  RustlingsはGitHub上のプロジェクトで、コマンドラインから実行できる簡単なプログラムが多数含まれており、実際に手を動かしながらRustを学ぶことができる。課題ごとにステップアップしていく形式で、初心者には理想的な学習リソースである。

• Rustプロジェクトの構築
  Rustを使ったプロジェクトを自分で構築し、GitHubに公開することで、実践的なスキルが磨かれる。単にチュートリアルに従うだけでなく、自分のアイデアを実際に形にすることで、Rustの知識が定着しやすくなる。

Rustは学ぶ価値があるか？

PythonやJavaScriptは一般的にアクセスしやすく、初心者にも取り組みやすい言語とされているが、Rustはそれ以上に根本的なプログラミング知識を提供してくれる。初心者にとっては、安全なコーディングの習慣を早期に身に付けることができ、メモリリークに悩まされることも少ない。一方で、経験豊富な開発者にとっても、低レベル言語に匹敵するスピードと柔軟性を備えたプログラミングが可能である。

Rust開発者としてのキャリアは、給与の面でも魅力的な選択肢となりうるが、それ以上にRustを通じて身に付けるプログラミングの基礎知識は、他の言語に応用する際にも役立つものだ。もし私が初心者に戻れるなら、間違いなくRustを最初に学ぶ選択をするだろう。それは、Rustが初心者にとって有害な「悪い習慣」を初期から排除し、健全なコーディングを教えてくれるからである。

詳細は[Why You Should Learn Rust, Especially If You're New to Programmingを参照していただきたい。