11月4日、海外スタートアップに関するブログメディア「A Smart Bear」が「最も重要なSaaSメトリクスについての議論」と題した記事を公開した。この記事では、SaaSビジネスにおいて注目すべき主要なメトリクスについて、各指標の特徴と役割を詳しく紹介されている。
以下に、その内容を紹介する。
顧客維持率(Retention)
顧客がプロダクトから離れることは、製品市場適合性(Product/Market Fit)の欠如を示す。どれだけ他のメトリクスが良好であっても、顧客の維持ができなければビジネスは成功できない。スケール段階に入ると、キャンセル率が増加し、それに対応する新規顧客獲得が追いつかないため、成長が停止してしまう。売上成長率(Top-Line Growth)
高い売上成長率は、製品の市場適合性や顧客獲得力、顧客維持力を示しており、大規模なテック企業を目指すためには不可欠である。成長の速さが企業の健全性を示し、独立、資金調達、売却などの選択肢が広がる。純利益成長率(Net Profit Growth)
成長だけでなく利益も求められる現在の市場では、利益成長率が企業の持続可能性を示す重要な指標となっている。ユニコーン企業が収益があるにも関わらず利益が出ないことで失敗するのは、収益ではなく利益の欠如が原因である。営業効率(Sales Efficiency)
新規収益の獲得コストが高い場合、それは製品が市場に受け入れられていないことを示しており、長期的な成長が難しい。自然なキャンセル率を補うのにコストがかかるため、顧客獲得が利益を圧迫し、企業の成長が制約される。顧客生涯価値(LTV)
高成長でも利益が伴わなければ持続可能なビジネスにはならず、高い顧客維持率もMRRが低ければ収益拡大には限界がある。LTVを最適化することで、ビジネスモデルの健全性が一貫して把握できる。Rule of 40
企業が成長を優先するか、利益を重視するかを明確にする指標で、売上成長率と利益率の合計が40%以上であることが望ましい。この指標は成長と利益のバランスをとるため、企業のライフサイクル全体での価値創出に重要である。NPS(顧客満足度)
顧客満足度は、他のメトリクスにも影響を与える基本的な指標であり、口コミによる新規顧客の獲得や顧客の長期的な利用意欲を支える。顧客の健康状態を示すものであり、企業全体の価値を測る上で欠かせない。
これらの指標のいずれもが、企業にとっての真実であり得るが、すべての企業にとって普遍的な「最も重要なメトリクス」は存在しない。メトリクスは目標やタイミング、企業の規模や状況に応じて活用すべきものであり、盲目的に従うものではない。
詳細は[No wait, of course THAT is the single most important SaaS metric]を参照していただきたい。