8月22日、マイクロソフトはVisual Studio 2022のバージョン17.11をリリースした。
この最新バージョンは、C++開発者向けに多数の新機能を提供している。以下に、主な改善点と新機能を紹介する。
1. 標準ライブラリの改善
バージョン17.11では、フォーマットされた出力、ベクトル化、診断機能の3つの主要な領域で改善が行われた。特に、フォーマットされた出力においては、Formatting RangesやPrinting Blank Lines with printlnの一部が実装された。また、ベクトル化の改善により、標準アルゴリズムの多くでパフォーマンスが向上している。
2. CMakeデバッガーのサポート
このバージョンでは、LinuxをターゲットとしたCMakeプロジェクトにおいて、CMakeデバッガーがサポートされるようになった。これにより、Visual Studioのデバッガーを使用してCMakeスクリプトやCMakeLists.txtファイルをデバッグすることが可能になった。
3. Unreal Engineのサポート
Unreal Engine開発者向けには、いくつかの新機能が追加された。Unreal Engineツールバーやクラス・モジュール追加ダイアログが新たに導入され、Unreal Engineのプロジェクト管理が一層容易になった。
4. Build Insightsの改善
C++ Build Insights統合における使い勝手の向上が図られている。これにより、プロジェクトごとにBuild Insightsのトレース結果をフィルタリングできるようになった。また、結果表示の改善により、相対パスとファイル名が見やすくなっている。
5. ブレークポイントのパフォーマンス向上
条件付きブレークポイントの実行速度が大幅に改善された。これにより、バージョン17.11では80,000回の繰り返し実行において、実行時間が80秒から21秒に短縮され、約4倍の速度向上が達成された。
詳細はNew C++ features in Visual Studio v17.11を参照していただきたい。