6月23日、海外のエンジニア向けメディア「The New Stack」に「Introduction to Gleam, a New Functional Programming Language」と題した記事が公開された。この記事では、新しい関数型プログラミング言語であるGleamについて詳しく紹介されている。

以下に、その内容を簡潔にまとめて紹介する。

Gleamはスケーラブルな並行システムを構築するための型安全な関数型プログラミング言語である。ErlangとJavaScriptにコンパイルされるため、ErlangやElixirなどの他の「BEAM」言語との相互運用性がある。Erlangは初期の通信業界で使用された言語であり、その並行性とフォールトトレランスの特性が今でも尊重されている。

以下にGleamの特徴をまとめる。

1. シンプルな構文
   Gleamの構文は非常にシンプルであり、初心者でも理解しやすい。以下は「Hello, World!」プログラムの例である。

   import gleam/io
   
   pub fn main() { 
     io.println("hello world!") 
   }
   

2. パッケージ管理
   Gleamはパッケージ管理システムを備えており、依存関係の管理が容易である。以下は依存関係を示すgleam.tomlファイルの例である。

   [dependencies] 
   gleam_stdlib = ">= 0.34.0 and < 2.0.0"
   

   このファイルには、使用するパッケージのバージョン制約が記載されている。

3. 関数型プログラミング
   Gleamは関数型プログラミングをサポートしており、コードの可読性と保守性が高い。以下は環境変数を取得するプログラムの例である。

   import argv 
   import envoy 
   import gleam/io 
   import gleam/result 
   
   pub fn main() { 
     case argv.load().arguments { 
       ["get", name] -> get(name) 
       _ -> io.println("Usage: get <name>") 
     } 
   } 
   
   fn get(name: String) -> Nil { 
     let value = envoy.get(name) |> result.unwrap("") 
     io.println(format_pair(name, value)) 
   } 
   
   fn format_pair(name: String, value: String) -> String {
     name <> "=" <> value 
   }
   

   この例では、コマンドライン引数を解析し、環境変数の値を取得して表示する。

4. アルジェブラ的データ型 (ADTs)
   Gleamはアルジェブラ的データ型をサポートしており、複雑なデータ構造を簡潔に表現できる。以下は季節を表すデータ型の例である。

   pub type Season { 
     Spring 
     Summer
     Autumn  
     Winter 
   } 
   
   fn weather(season: Season) -> String { 
     case season { 
       Spring -> "Mild" 
       Summer -> "Hot" 
       Autumn -> "Windy" 
       Winter -> "Cold" 
     } 
   }
   

   これにより、パターンマッチングを使用して季節ごとの天気を表現する関数を簡単に実装できる。

5. 型安全な並行処理
   Gleamは例外をスローせず、Result型を使用して安全にエラーを処理する。これは型安全で信頼性の高いコードを提供する。以下はエラー処理の例である。

   let value = envoy.get(name) |> result.unwrap("")
   

詳細はIntroduction to Gleam, a New Functional Programming Languageを参照していただきたい。