6月12日、arstechnicaが報じたところによると、イーロン・マスクはOpenAIに対する訴訟を取り下げたと発表した。マスクは当初、OpenAIがその創設時の非営利目的の使命から逸脱したとして訴えていたが、本日、カリフォルニア州サンフランシスコの高等裁判所に対し、訴えの取り下げを求める通知を提出したことが明らかになった。
マスクの弁護士であるモーガン・チューは、マスクが訴訟の全ての訴状を取り下げる意向を通知したが、その具体的な理由については明らかにされていない。
この訴訟は、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンとプレジデントのグレッグ・ブロックマンが、同社の非営利ミッションから逸脱し、営利目的の子会社を設立したとするものであった。また、OpenAIが重要なAIの進展を公に無料で提供するという創設時の合意を破ったと主張していた。
マスクは2015年にOpenAIを共同設立し、かつては資金提供も行っていたが、2018年に退社している。彼の訴訟では、OpenAIがマイクロソフトの事実上の子会社となっていると非難していた。
マスクは10日間の陪審裁判を求め、差し止め命令と最大限の懲罰的損害賠償を要求していたが、OpenAIはこれに対して、「マスクの主張は契約違反を示しておらず、彼の訴状には『創設時の合意』という名の契約は存在しない」と反論していた。
この訴訟の取り下げ要求は、証拠開示が開始される前日に行われたものであり、OpenAIは内部文書の公開を避けることができた模様である。マスクは現在、OpenAIとAppleの提携に対する批判に集中しており、この訴訟取り下げについてはまだ自身のSNSアカウントで言及していない。
詳細はBreaking: Elon Musk drops claims that OpenAI abandoned missionを参照していただきたい。