4月20日、DevOps.comが「Valkeyが急速にRedisを置き換えつつある(Valkey is Rapidly Overtaking Redis)」と題した記事を公開した。
この記事では、Redisのソース利用可能なライセンスへの移行と、その結果として生じたValkeyへの大規模な移行について詳しく紹介されている。以下に、ポイントを絞って内容を紹介する。
Redisのライセンス変更による影響
ちょうど一ヶ月ほど前(3/20)、 RedisがBSD 3-clauseライセンスからRedis Source Available License (RSALv2)およびServer Side Public License (SSPLv1)へとライセンスを変更 した。
BSD 3-clauseライセンスは非常に寛容なオープンソースライセンスで、著作権表示と免責事項の維持が含まれるが、商用利用も含めてほぼ自由にソフトウェアを利用できる。
一方、Redisが採用したライセンスの一つである Redis Source Available License (RSALv2) は「ソース利用可能ライセンス」とされており、ソースコードは利用可能だが、特定の用途(特に商用利用)での使用に制限を設ける可能性がある。これにより、Redis Labsは自社の製品をオープンソースコミュニティと共有しつつ、商業的に重要な使用方法については制御を保持できるようにしている。
もう一つのライセンス Server Side Public License (SSPLv1) は、MongoDBが初めて使用したもので、ユーザーが変更したバージョンをサーバーとして公開する場合、そのソースコードを公開しなければならないという条件がある。このライセンスは、クラウドプロバイダーがオープンソースプロジェクトを商用サービスとして提供する場合に、オリジナルのプロジェクト開発者が利益を得られるように設計されている。
これらのライセンス変更は、オープンソースプロジェクトとしてのRedisの性質を変え、特に大手クラウドプロバイダーが自由に商用サービスとしてRedisを利用することに制約を加えることを目的としている。その結果、コミュニティの一部はこれに反対し、代替としてValkeyというフォークを作成するに至った。
Valkeyへの広範な支援と採用
Valkeyは Linux Foundationの支援を受けている だけでなく、多くの大企業からも支援を受けており、AWS、Ericsson、Google Cloud、Oracle、Verizonに続いて、Alibaba Cloud、Aiven、Heroku、Perconaも支援を表明している。この広範な支援が、Valkeyの急速な普及を後押ししている。
Valkeyのテクニカルリーダーシップコミッティーは、経験豊富な技術者で構成されており、 Redisへの1000回以上のコミットを持つメンバーも含まれている。これらのエンジニアが開発に直接携わっているため、プロジェクトとしての健全性も(現在のところ)高く評価されている。
詳細はValkey is Rapidly Overtaking Redisを参照していただきたい。