4月16日、Capacitorはその最新バージョンであるCapacitor 6をリリースした。
Capacitorは、Web技術でモバイルアプリを開発できるようにするという、クロスプラットフォームアプリ開発を促進するツールだ。Capacitorを使うと、Webベースのアプリケーションにモバイルネイティブの機能を容易にアドオンすることができる。
このアップデートでは、Swift Package Managerの実験的なサポートが導入され、Appleの新しいプライバシー要件に対応したことで、よりモダンな環境に対応した効率的な開発と、最新のセキュリティ要件を満たせるようになる。
Swift Package Managerの導入
特に注目されるのは、iOSプロジェクトの依存関係管理にSwift Package Manager(SPM)を使用できるようになったことだ。
SPMはSwiftアプリケーション用の依存関係管理ツールで、従来のCocoapodsと異なり、ビルド時の依存関係解決をより速く、より確実に行うことができる。Capacitor 6では、これを試験的に導入しており、コアプラットフォーム及び全てのコアプラグインがSPMに対応している。将来的にはSPMへ完全に移行する予定だ。この変更は、依存関係のより効率的な管理が可能になる。
新しいプライバシー要件への対応
CapacitorはAppleが求める最新のプライバシー規定に基づいてアップデートされた。
これには、アプリケーションがApp Storeに提出される際に必要とされる、APIの使用目的を説明するプライバシーマニフェストの提出が含まれる。
これは、ユーザーのデータをどのように使用しているかを透明にし、ユーザーのプライバシーを保護するための重要なステップではあるが、開発者にとっては新たな負担となる。今回のアップデートにより、開発者による負担が軽減されることになる。
最新のプラットフォームへの対応、アップグレードプロセスの簡易化
このバージョンアップによって、Android 14およびiOS 17をサポートするようになった。
アップグレードプロセスも簡易化されている。IonicのVSCode拡張機能を使用すれば、ボタン一つでプロジェクトをCapacitor 6にアップグレード可能だ。また、コマンドラインを好むユーザーのために、npx cap migrate
コマンドを利用することで、簡単に最新バージョンへ移行できる。
詳細は[Announcing Capacitor 6.0]を参照してほしい。