2月3日、LogRocketが「TypeScriptの状態管理ソリューションを比較する」（Comparing TypeScript state management solutions）と題した記事を公開しました。
この記事は海外で非常に好評を博しており、日本のエンジニアにも有益な情報となると考え、概要を紹介します（詳しくは元記事をご覧ください）。

この記事では、フロントエンド開発における状態管理に焦点を当て、特にReact、React Native、Vue、およびAngularなどと合わせて使用するTypeScriptライブラリについて詳しく紹介されています。

Redux Toolkit と React Redux (React向け)

Redux Toolkitは、Reduxをより簡潔かつ効率的に使用できるようにする公式ツールセットです。Redux自体は非常にパワフルであり、大規模なアプリケーションの状態管理に向いていますが、Toolkitはボイラープレートの削減やベストプラクティスの導入など、開発者の生産性向上に寄与します。

React Reduxは、Reactアプリケーション向けの公式Reduxバインディングです。Reduxの状態をReactコンポーネントと統合するためのAPIを提供し、コンポーネントの状態をReduxストアと同期させます。

MobX (React向け)

MobXは、簡潔で効果的な状態管理のためのJavaScriptライブラリです。リアクティブプログラミングのアプローチを取り、状態の変更を自動的にトリガーすることができます。MobXは、複雑なアプリケーションの状態管理をシンプルにすることができます。

NgRx (Angular向け)

NgRxは、Angularアプリケーション向けのReduxの実装です。Reduxの原則に基づき、Angularの強力な機能と統合されています。アプリケーション全体での状態管理や非同期処理を効果的に行うための一連のツールを提供します。

Pinia (Vue向け)

Piniaは、Vue.jsのための公式状態管理ライブラリです。コンポーネントやページ間でのシームレスな状態共有を可能にし、デベロッパーエクスペリエンスを向上させます。デベロッパーツールのサポートやデバッグのためのタイムトラベル、ホットモジュールのリプレースメントなど、多くの利点を提供します。

Recoil (React向け)

Recoilは、Facebookによって開発されたReact向けの状態管理ライブラリです。アトムと呼ばれる状態の単位を導入し、コンポーネント間での状態の流れをグラフとして定義できます。Recoilは非同期操作のサポートや型安全性の向上など、さまざまな特徴を持っています。

React Query (TanStack Query) (React向け)

React Queryは、ReactおよびReact Native向けの非同期状態管理ライブラリです。データのフェッチ、キャッシュ、同期、サーバー状態の更新など、さまざまなタスクを処理できます。APIからデータを取得したり、POST、PUT、PATCH、DELETEなどの操作を行うためのHooksを提供します。

Jotai (React向け)

Jotaiは、React向けの状態管理ライブラリで、Recoilと同様に原子的なアプローチを採用しています。アトムと呼ばれる状態のピースを組み合わせて状態を作成し、それに依存するコンポーネントが自動的にリレンダリングされる仕組みを提供します。Jotaiは簡潔で直感的なプログラミングスタイルを採用しており、スケーラブルなプロジェクトに適しています。

状態管理ライブラリの比較

最後に、これらの状態管理ライブラリをいくつかの要因から比較しています。パフォーマンス、開発者エクスペリエンス、コミュニティサポート、ドキュメンテーションなど、プロジェクトの要件に応じて最適なライブラリを選択することが重要です。

状態管理はプロジェクトの基盤であり、慎重な選択が求められます。各ライブラリの利点と欠点を比較し、プロジェクトに最適な選択を見つけることが重要です。

元記事では、それぞれのライブラリについてコードサンプルを添えてより詳細に解説しています。
ぜひ、Logrocket公式ブログのComparing TypeScript state management solutionsも参照してください。