8月14日、Firebaseは「Release Content Faster: How Firebase Cut Blog Publishing From Hours to Minutes with Astro」(Firebaseがブログの公開時間を時間から分単位に短縮する方法:Astroを使って)と題した記事を公開した。この記事では、Firebaseがブログの公開にかかる時間を劇的に短縮する方法について詳しく紹介されている。
具体的には、FirebaseチームはかつてブログをBloggerというプラットフォームで運用していた。このプラットフォームではGoogle Docsでブログ投稿を作成し、それをBloggerドキュメントに変換する必要があった。短いブログ投稿でも公開までに1時間以上かかることがあった。Bloggerの編集体験も問題があり、画像やその他のインタラクティブな要素を組み込むために開発者がHTMLを手作業で作成する必要があった。また、プロファイル画像がなく、HTMLとCSSを挿入してプロファイル画像を直接ブログ投稿に表示する必要があった。さらに、Bloggerではアクセシビリティの改善が難しかったため、ユーザーにとって劣悪な体験をもたらすことがあった。
Astro導入と開発効率の向上
FirebaseはAstroを導入することで、モダンな開発体験と効率的にブログを公開する手段を求めていた。そこで導入されたのがAstroである。
Astroは、静的ウェブサイトの効率的な構築とデザインを行うためのツールである。モダンなウェブ開発手法を採用しつつも、シンプルな構文と使いやすさを備えており、静的サイトの構築やデザインを円滑に行いたい場合に、有益なツールである。Astroは、ウェブサイトを小さな再利用可能なコンポーネントに分割し、コードの再利用性を高め、効率的な開発を可能とする。
また、Astroは静的サイトジェネレーターの一種であり、ビルド時にページを事前に生成することで、高速かつパフォーマンスの高いウェブサイトを提供する。さらに、必要なデータの取得を効率的に行う仕組みを提供することで、ページの読み込み速度を向上させている。
Astroの導入により、新しいチームメンバーは30分以内でセットアップを完了することができるようになった。Astroはコンベンションに従った明確な手順を提供するため、開発者が仕事を円滑に進められる環境を提供している。
Astroによる複雑なアニメーションの実現
またFirebaseの開発者たちは、Astroを使用して複雑なアニメーションを実現し、ブログのユーザーエクスペリエンスを向上させた。このアニメーションは、通常のテンプレートでは実現が難しいものであったが、Astroの柔軟性を活用してアクセシビリティを考慮したアニメーションを構築することに成功した。一例として、Firebaseブログのホームページにあるスライスアニメーションの実現が挙げられる。ウェブ上でこのアニメーションを作成するのは非常に難しいタスクであり、FirebaseはAstroを活用してこのアニメーションをアクセシブルに構築できる環境を手に入れた。
BloggerからAstroに切り替えることで、通常のブログ投稿にかかる時間が数時間から数分に短縮された。また、以前はGitHub Actionsを使用してフルサイトを生成するのに6分かかっていたものが、GitHub Actionsを用いたビルド時間は平均1.5分に短縮され、総体的なビルド時間が75%削減された。
この事例では、Astroを活用することで、時間のかかるプロセスを最小限に抑え、効果的なコンテンツ公開を実現する手法を示している。詳細は元記事(Firebaseは「Release Content Faster: How Firebase Cut Blog Publishing From Hours to Minutes with Astro)を参照していただきたい。