8月3日、Ansibleはデータ操作におけるモジュールの利用について発表しました。
この記事では、Ansibleのデータ操作に効率的で実装しやすいフィルタの利用方法について詳しく説明します。
フィルタを使用することで、Ansible Playbooksのデータ操作を簡素化し、効率的に行うことができます。
詳細は以下の通りです。
フィルタの基本的な構造と必要なオプション
Ansibleデータ操作: フィルターを使った効率的なデータ処理
元記事紹介
この記事は、Ansibleプロジェクトが公開したブログ記事「Ansible data manipulation with a Module」を元にしています。AnsibleはオープンソースのIT自動化ツールであり、構成管理やアプリケーションデプロイメントなどに使用されています。本記事では、Ansibleが提供するフィルターを使用したデータ操作の効率的な方法について解説します。
フィルターを使ったデータ操作の重要性
Ansibleは、自動化を通じてITタスクの効率化やリソースの最適化を実現するツールです。しかし、従来のPlaybooksはプログラムとしての柔軟性に欠けると指摘されてきました。特にデータの操作に関しては、タスクを重ねることで処理を行う必要があり、複雑なデータ変換には不向きでした。
そこで、フィルターを活用する方法が提案されています。フィルターはPythonで記述されるプログラムであり、データ操作を効率的かつ簡単に実現することができます。本記事では、具体的な作成方法を詳しく解説していきます。
フィルターを活用したデータ操作の具体例
背景
今年のAnsible Summitで、参加者から「Ansibleでデータの設定と変更をどのように行うか」という質問が寄せられました。多くのユーザーがデータの操作に関して、タスクを重ねる方法を使用していましたが、効率的ではなく、手間がかかるという課題がありました。そこで、プログラミング言語Pythonを使ったフィルターを活用する解決策が提案されました。
フィルターの活用
フィルターは複数のデータ入力を受け取り、プログラム的な操作を行い、その結果を入力またはファクトとして使用できます。さらに、ホストレベルではなくローカルで実行されるため、より高速な処理が可能となり、不必要な接続を回避できます。
データセットの例
具体的なデータ操作の例として、AnsibleのオートメーションコントローラAPIから取得したデータを使用します。特定のワークフローのノードに関するデータがネストされており、これをループ処理して使用されているデータを抽出します。以下の変数ファイルを参照します。
フィルターの基本構造
フィルターの基本構造は以下の通りです。
from ansible.errors import AnsibleFilterError
class FilterModule(object):
def filters(self):
return {"example_filter": self.workflow_manip}
フィルターはexample_filter
として定義され、データの入力としてdata_in
を受け取ります。その後、実際のデータ操作が行われます。
データ操作の具体例
以下は、ネストされたリスト内のデータを抽出するフィルターの例です。
def example_filter(self, data_in: dict):
workflow_data = {}
workflow_data["workflows"] = []
workflow_data["job_templates"] = []
workflow_data["inventory_sources"] = []
workflow_data["approval_nodes"] = []
for workflow in data_in:
workflow_data["workflows"].append(workflow["name"])
for node in workflow["related"]["workflow_nodes"]:
if node["unified_job_template"]["type"] == "inventory_source":
workflow_data["inventory_sources"].append(
node["unified_job_template"]["name"]
)
elif node["unified_job_template"]["type"] == "job_template":
workflow_data["job_templates"].append(
node["unified_job_template"]["name"]
)
elif node["unified_job_template"]["type"] == "workflow_approval":
workflow_data["approval_nodes"].append(
node["unified_job_template"]["name"]
)
else:
raise AnsibleFilterError(
"Failed to find valid node: {0}".format(workflow)
)
return workflow_data
上記のフィルターは、ワークフロー名と関連するノードの情報を抽出し、それぞれのタイプに応じて適切なリストに追加します。もし、有効なノードが見つからない場合は、エラーメッセージを出力します。
データ操作のメリット
従来の方法では、タスクを多く重ねる必要があるため、Playbooksの記述が複雑になるという問題がありました。しかし、フィルターを使用することで、実際のプログラム言語のライブラリや内部的なループを活用することができます。
まとめ
この記事では、Ansibleプロジェクトが提供するフィルターを活用したデータ操作の方法について解説しました。Ansible Playbooksがプログラムとしての柔軟性に欠けるとされる中で、フィルターを使うことでデータの操作が効率的かつ容易になることが確認されました。また、フィルターの他にもさまざまな解決策が存在するため、状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。Ansibleをより効率的に活用するために、フィルターの活用を検討してみてはいかがでしょうか。