7月27日、GitHubは、著作権侵害の主張に直面している開発者に対し、米国の一流大学が提供する無料の法的アドバイスを提供することなどを目的に、100万ドルの資金提供を行ったことを発表した。
The Registerによると、GitHubの広報担当者は以下のように述べている。
「開発者のプロジェクトがテイクダウンの対象となった場合、開発者はストレスを感じることがあります。また、テイクダウンには複雑な法的問題が含まれる場合があり、開発者には戦うための時間やリソースがないため、ストレスは倍増します」
「GitHubは開発者を支援することを目的としていますが、私たちは開発者がそのような時に法的な専門知識にアクセスできるようにしたいと考えています。テイクダウン要求が有効であることを開発者に通知したとき、スタンフォード大学ロースクールのJuelsgaard Clinicでの独立した法律相談を無料で受けられるように紹介もします」
これは、昨年の全米レコード工業会(RIAA)との衝突がきっかけとなっているという。
RIAAは、YouTubeの動画をダウンロードして保存するためのオープンソースのツールである「YouTube-DL」のリポジトリについて、GitHubにDMCAテイクダウン要求を出した。
RIAAは、このソフトウェアの主な用途として「(RIAA傘下のレコード会社が所有する)ミュージック・ビデオやサウンド・レコーディングを無許可で複製・配布すること」と主張した。
つまり、ソースコードには著作権を直接侵害する内容は含まれておらず、著作権を侵害するために使用することができるというだけだった。
これによりYouTube-DLはGitHubでの公開が停止された。
しかし、著作権保護された音楽をYouTubeからダウンロードするテストを削除したパッチにより、GitHubは復活させた。
この騒動を受けて、GitHubは、著作権保護システムの回避に関するDMCA第1201条に関わるテイクダウン要求への対応手順を見直すことを発表した。
GitHubのCEOであるナット・フリードマンは、著作権を侵害する目的で誰かに利用される可能性があるという理由で、有用なソフトウェアをインターネット上から削除するために悪用される可能性があるため、不合理な規則だと考えている。
「DMCAの1201条は壊れているので、修正する必要があります」と昨年語っている。
「開発者は自由にいじることができるべきだ。だからこそ、YouTube-DLのような素晴らしいツールが生まれるのです」
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