Beweis des Jordanschen Kurvensatzes
DRANK
*)Cours d'Analyse, I, 2me éd., S. 91–99.**)Transactions of the Amer. Math. Soc., vol. 6, S. 83.
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*)Cours d'Analyse, I, 2me éd., S. 91–99.**)Transactions of the Amer. Math. Soc., vol. 6, S. 83.
「鬼は外、福は内」の概念は高次元でも well-defined なのかどうか気になって出所を調べたんですが、100 年以上前に解決されてました。
リンク先は 1910 年の元論文。タイトルを訳すなら "Proof of Jordan's Curve Theorems" という感じでしょうか。流石にネタで購入するには高額すぎるので自分も買って読んではいないんですけど。
論文の内容はいわゆる Jordan の曲線定理の高次元への一般化です。とりあえず元になった 2 次元の場合について考えると、以下に述べるように主張は実に直感的です。
R^2 上の単純閉曲線 c に対して、R^2 における c の補集合は互いに交わらない連結成分からなり、片方は有界、もう片方は非有界になる。
……意味がわからんですね。一つずつ説明しましょう。
まず R^2 は普通にイメージする、無限に広がっている xy 平面です。これは OK ですね。
単純閉曲線 c というのは、[0, 1] から R^2 への連続写像であって、c(0) = c(1) かつ 0 と 1 以外に c(t1) = c(t2) となる t1, t2 が存在しないもののことです。 要するに、ぐにゃぐにゃしていてもいいので、途中で切れたり交わったりしないように平面状に一周するラインを引いたものだと思ってください。
そうすると、R^2 から c を除いた部分、すなわちライン以外の部分は当然「内側」と「外側」に分かれます。定理のステートメントで「有界な方」つまり原点から有限の距離以内に全体が収まっている方がいわゆる「内側」であり、「非有界な方」が「外側」です。
言っている内容は自明に聞こえますね。しかし証明は見た目ほど単純ではなく、2005 年には数学の証明を機械的にチェック可能な形式で書き直す Mizar Project の題材にも選ばれています。
これが 2 次元平面における Jordan の曲線定理の主張、そしてこの定理を 2 次元から n 次元に一般化したものが、リンクとして挙げた Brouwer の結果です。
おそらくは鬼や福も我々と同じく三次元空間に存在していると思われますが、Brouwer の結果を以って初めて三次元空間に「外」と「内」の概念が定義されたことになるというわけです。知らんけど。