近未来のダイエット! 3Dプリントで作った食べ物なら少量でお腹いっぱいに

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
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  • そうこ
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近未来のダイエット! 3Dプリントで作った食べ物なら少量でお腹いっぱいに
Image: MIT CSAIL HCI Engineering Group

よく噛むって大事よ。

ご飯食べるとき、何回くらい噛んでますか? よく噛みなさいって耳タコくらい言われてきましたが、結局バタバタした生活の中で数回噛むだけの丸呑み状態あるある。いかんですねぇ。このよく噛むが健康には大切なのに。というわけで、3Dプリンターを使ったらよく噛まざるをえなくなったというお話です。

3Dプリント・フードに関する研究を行なっているのは、マサチューセッツ工科大学人工知能研究所(CSAIL)のヒューマン-コンピュータインタラクション開発チーム(HCIE)。人間の食べ方とその満腹度に関する研究を元に、食べ物の形、サイズ、見た目などを変えて、その満腹感を調べました。

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両方のカッップには同じ量のハムが入っている。左はレーザーカッターにより複雑な形にカットされており、カップによりたくさん入っているように見える。その結果、左のカップのハムを食べた人の方が、右よりも満腹感が高かった。
Image: MIT CSAIL HCI Engineering Group

食べた人の満腹度は、食べ物のテクスチャや硬さによって変わります。例えば、硬いものを食べるときは噛む回数が増えるので、1回の食事量が少なくなるということがわかっています。CSAIL HCIEはこれを応用。プラスティックではなく、食品を扱えるようにノズルを変えた3Dプリンターを使い、内部構造自体から食品(オーブンやトースターで焼いて完成)を見直して作りました。

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同量の食材で同じカロリー、構造が異なる3種類のビスケット。内部構造が複雑かするほど、咀嚼時間が長くなり、満腹感があがった。
Image: MIT CSAIL HCI Engineering Group

実験では、「味覚テスト」と称して、30人の被験者に様々な3Dプリント・フードを食べてもらい、顔に筋電センサをつけ咀嚼タイムと噛む強さをチェック。食べ終わったあとは、満腹度も答えてもらいました。結果、中身がより複雑な構造で大きなサイズのものが満腹度が高いと答えた人が多かったのです。これを踏まえ、研究チームはコンピュータモデルとシステムFoodFabを開発。このシステムは、ユーザーのニーズや好みに応じてカスタマイズした食べ物を自動で作りだすことができます。

3Dプリント・フードは、構造を自由に変えることで、量やカロリーを制限しつつも満腹度は維持できます。また逆もしかりで、病気などで多くを食べられない場合に、より柔らかい構造にすることで食べやすくする、少量でも最大限カロリーをとれるようにすることもできます。

なるほど。とりあえず3Dプリント・フードが一般的になるまで、よく噛もうと改めて思いました。

Video: MIT CSAIL HCI Engineering Group

Source: CSAIL HCIE