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駆け出しプロダクトマネージャー(PdM)の転職活動記前編 -転職経緯〜内定-

このnoteについて

2020年1月、株式会社SmartHRに転職しました(とても幸せです)。
転職活動にあたり様々な情報を集めましたが、「そういえば、あんまり経験談って見ないな?」と感じていたため、あくまでn=1として誰かの参考になればと思い、転職活動を始めた経緯から入社2ヵ月までを記録に残します。
Titleの通りPdMとしての職務期間は比較的短く、どの程度かはこのすぐ後にご紹介します。
活動期間は2019年7月末〜2019年11月初旬。約3.5ヵ月での出来事です。

活動開始時の経歴

「参考になるもならないも、あなた何者?」
はい。おっしゃるとおりです。

PdMは掛け算スキル職種なので、背景は重要ですよね。まずは簡単に、転職活動時までの経験内容を挙げます。なお、経験社数は2社(ブライダル6年 → 自社WEBサービス5年半)ですが、特にPdMに関連するものとして2社目に絞ります。

・経験業務
 ・KPIグロース系企画中心のディレクター(BtoBtoC):2年
 ・インハウスSEO担当者:1年
 ・社内新規プロダクト立ち上げPdM(BtoB):1年
 ・既存プロダクト(BtoBtoC)のPdM 兼 企画チームマネージャー:1.5年
・保有スキル
 ・プロダクトマネジメント
 ・サービス設計・要件定義
 ・予算・PL策定
 ・WEBサイトのUI/UX改善を通じた売上改善
 ・SQLやアナリティクスツールを用いたデータ分析(アクセスログ等)
 ・SEO戦略の策定・推進およびSEOノウハウの育成

グロースハック系WEBディレクターからSEO担当者を経て、数字とロジックをベースにプロダクト企画を進めるタイプのPdMになりました。

転職の経緯・目的

もっとプロダクトづくりに向き合いたい。一番はこれでした。
当時の私の状況は少々特異で、上司(課長職)・そのまた上の上司(部長職)の育休取得・異動が立て続き、実質的に直属の上司が不在。結果、事業計画や日々のKPI管理・マネジメントコミュニケーションの業務ボリュームが大きく膨らみ、私の能力ではプロダクトに自ら向き合うことが難しくなっていっていました。
また、当時は不動産系のWEBサービスを担当していたのですが、基本的には情報提供と不動産会社への送客が中心。「ユーザー提供価値を高めたい」と思うほど、送客で離れるサービスではなく、ユーザーのゴールまで見届け・向き合えるプロダクトに関わってみたいという思いが強くなっていきました。
PdMとしてまだ未熟だからこそ、組織・事業以上にユーザー・プロダクトに向き合いたい気持ちと、担当すべき業務範囲が合わなくなっていたことから転職活動をはじめました。

きっかけは、尊敬する知人PdMに「うちにこないか?」と声をかけていただいたこと。尊敬する人からの誘いであり、プロダクトも魅力的。残念ながら最終的には別の企業に入社しましたが、今考えても、本当にありたがたかった。しかも、

「うちだけ受けても決められないだろうし、ちゃんとフラットに決めてほしい。僕がお世話になった心強いエージェントを紹介するよ」

後光が差して見えました。順調に意思決定まで進めたのは、この出来事のおかげです。

選考準備

応募した企業と結果の内訳、選考準備で主に行っていたことは以下のとおりです。

・応募企業:8社
 ・エージェント経由:4社(お祈り1、辞退2、入社1)
 ・リファーラル経由:2社(辞退2、うち内定1)
 ・自己応募:2社(辞退2、うち内定1)
・選考準備
 ・条件整理:自己整理 → エージェント面談 → 再整理
 ・書類作成:ウェブエキスパートドラフトの登録テンプレ活用
 ・事業理解:スプレッドシートでプロダクト・企業研究整理

中でも、いくつかポイントとなった出来事を紹介します。
エージェントは、クライス&カンパニーにお世話になりました。プロダクトマネージャーカンファレンス2019に参加された方はご存知かもしれませんが、現在クライス社では及川卓也さんが顧問を務められており、PdMの転職支援に大きく力を入れています。幸運なことに、及川さんと直接面談の機会をいただき、「なぜPdMにこだわりたいのか」「PdMとして世の中にどんな価値を提供したいのか」など根本的で大切なことが非常にクリアになりました。担当エージェントも能力・人柄ともに素晴らしい方で、心から感謝しています。

また書類作成には、ウェブエキスパートドラフトの登録フォームで整理した内容を活用しました。

・職務経歴の記載ポイント(PJTごとに、具体的・定量的・簡潔に!)
 ・目的とゴール
 ・ミッションと業務範囲
 ・成果
 ・発生した課題
 ・課題解決のために行ったこと

私自身、前職でPdMの選考を行っていましたが、企業によって業務範囲やミッションが大きく異なる職種のため、自らの経歴を相手に伝わる形でドキュメント化するのはかなり難易度が高いです。その点、このフォーマットではフォーム内容に沿っていくと自然と伝わりやすいドキュメントが仕上がるようになっていて、素晴らしかったと感じています。職務経歴において、上記のポイントを具体的・定量的・簡潔に整理し記載できれば、面接もこわくありません。残念ながらウェブエキスパートドラフトは現在ドラフト開催休止中ですが、エンジニア専用の転職ドラフトはとてもオススメです。

応募企業探しの注意点

外部PdMとのコミュニケーションを普段から持っている方には釈迦に説法なのでここは飛ばしてください。
企業によって、PdMの業務定義・ミッション・Must条件は平安と令和ぐらい、メダカと象ぐらい違います(逆に分かりづらい)。PdMで募集しているがよく読んでみるとPjM、が最も多いケースで、他にも事業部長 / グロースハッカー / マーケター / EM などなど、求める重心がどこかによってかなりばらつきがあります。これ、営業企画では…?などということも。
当然ですが、ジョブディスクリプションは熟読しました。また、ジョブディスクリプションが曖昧な企業に数社カジュアル面談に行きましたが、やはりその企業内で「PdMとは何か」自体が曖昧でした。その定義から向き合っていくぞ!という方は是非飛び込んでみてください。
つまり、応募するにあたり「私の思うPdMとは」「譲れること・譲れないことは何か」「求められて拡張したいと思えるスキルや領域・思えないスキルや領域は何か」あたりをかなり具体的にしておかないと、応募時点からかなり時間を無駄にする可能性があります。
参考までに、私が整理した自分の条件をご紹介します。

企業選びの軸となった条件

1. Must
 ・情報の透明性が高く、風通しが良い(現場主体のモノづくり)
 ・ロジックと愛情が両立できる(浪漫と算盤はどちらも大事)
 ・PdMがプロダクトづくりに集中できる(基本、兼務しない)
 ・他職種と協働しやすいコミュニケーションが取れる(越境歓迎)
 ・プロダクトの目指す世界 or 企業ビジョンに共鳴できる
2. Want
 ・ ユーザーに直接会いやすい環境
 ・ 年収は下がっても100万円まで
 ・ スタッフ個人のコミュニティ活動や発信への理解

まず自身で整理し、エージェントとの面談で穴を発見し、選考過程での違和感・感動を言語化していく中で、最終的にこのような形になりました。
私の今回の転職においては、プロダクトづくりに全力投下できる・したいと思い続けられることの内訳分解をしていく作業だったように感じます。

プロダクトマネージャー(PdM)面接で聞かれた質問

意外と、オンライン上になかったのがこれ。参考になれば幸いです。

・自身とPdMの捉え方
 ・PdMに最も必要なスキルは何だと思いますか?
 ・PdMの最も大切な役割は何だと思いますか?
 ・あなたの考える、優秀なPdMの定義を教えてください。
  また、それに近づくために普段どのようなことをしていますか?
 ・なぜPdMの仕事をしたいんですか?
・人や物事との向き合い方
 ・わからないこと、難しい局面に直面したとき、どうしますか?
 ・エンジニアとのコミュニケーションで工夫していることは何ですか?
 ・仕事に求めることは何ですか?
・課題解決能力
 ・PMFしていない、と感じることがあったらまず何をしますか?
 ・事業成長に必要だと思うことを教えてください。
 ・目標や予算が未達になりそうなとき、何をしてきましたか?
  ・仕様や要件を決める際に大切にしていることは何ですか?
・経験からの学び方
 ・最も記憶に残っているPJTと、その理由を教えてください。
 ・大きく失敗したPJTと、なぜ失敗したかを教えてください。
  また、次に同様のことに出会ったらどうすると思いますか?
・プロダクト、組織マッチ
 ・このプロダクトの、最も魅力的に感じる点は何ですか?
 ・あなたのスキルで、私たちのプロダクトに活かせるものは何ですか?
 ・あなたが活躍するために必要なもの・ことは何ですか?
 ・最もストレスを感じる瞬間は何ですか?そのとき、どうしますか?
・その他
 ・PdMの仕事において、得意なこと・苦手なことはなんですか?
 ・あなたが最近最も感動したプロダクトは何ですか?
  ・それは、他のプロダクトと比べてどんな点が優れていますか?
  ・その優れた点を元に最もシンプルなMVPを考えるとしたら、どんなプロダクトになると思いますか?

ざっと挙げると、このような質問を受けました。
PdMの面接では企業TOPやEM、PdMリーダーなど質問力・洞察力に非常に長けた方々にお会いすることが多く、普段なかなか話せない方々と半ばディスカッションに近い対話の時間をいただいたこと自体に非常に大きな価値がありました。
私のケースでお祈り連絡をもらった企業からの言葉を集約すると、恐らく「思考力やプロダクトへの愛情は買えるが、組織・事業を取りまとめて牽引する力は足りない」ということだったのだと思います。自身でも実際その通りだと思いますし、具体的・率直な評価にとても感謝しています。

オファーと入社検討

最終的に3社から内定をいただき、実は、ここで2社で結構悩みました。
上記条件に挙げていたMust条件は、当然どちらも満たされています。

・A社
 ・PMFしているが、成長の伸びしろも大きい
 ・プロダクトの目指す世界への共感がより強い
 ・待遇が大きく下がる(Want条件以上に)

・B社
 ・PdM3人目、開拓フェーズ
 ・D2Cのため「プロダクト」の範囲が広く、経験が強烈に拡張される
 ・待遇がやや下がる

結果、最終的に私はA社であったSmartHRを選びました。前職で(主観では実力以上に)高く評価してもらっていたこともあり、実はかなり待遇が落ちました。それでも、SmartHRに入りたいと心から思えたからです。
それはなぜか?
…それは、続編「駆け出しプロダクトマネージャー(PdM)の転職活動記後編〜入社2ヵ月経ちました〜」で書いていますので、もし興味をお持ちいただけたらご覧ください。

それでは、長文を最後まで読んでくれてありがとうございました。

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