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NECが小型の5Gモバイルコアシステムを開発、イベント会場などでも5G伝送ネットワークを迅速に構築可能

 日本電気株式会社(以下、NEC)は20日、イベント会場などにおいても5G伝送ネットワークを迅速に構築可能な、5Gモバイルコアシステムを開発したと発表した。

 従来のユーザーデータ処理装置(UPF:User Plane Function)は19インチラックマウント型サーバーを用いていたが、今回のソリューションで核となる1BOX型のユーザーデータ処理装置(以下、1BOX-UPF)は、コンパクトなBOXタイプのハードウェア上に、実績のあるvEPCユーザーデータ処理(U-Plane)を継承した5GC U-Plane(UPF)を搭載。従来の半分以下に小型化されているという。

 また、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準されたCUPS仕様に対応しており、必要なロケーションに1BOX-UPFのみを配備し、クラウドや遠方に配備されたスタンドアロン型5Gモバイルコア(5GC)のネットワーク制御(C-Plane)との接続に対応する。このため、ケーブル結線や電源投入などの簡単な設置操作をするだけで5GC C-planeと連携し、短期間で事業者専用のネットワークを構築できるとのこと。

配置イメージ

 さらに、企業ユーザー側のアプリケーションもあわせて搭載することが可能。FPGAなどの拡張ハードウェアアクセラレーション機構を追加することで、UPFおよびアプリケーションのさらなる高速処理にも対応するため、大容量動画のスムーズな視聴など、顧客体験の向上に貢献するとした。

 なお、ユーザーデータを1BOX-UPFに隣接するアプリケーションサーバー、あるいは1BOX-UPFにあわせて搭載するアプリケーションに転送する機能も備えており、安定・高品質の5G通信環境を構築できるとのことだ。

 このほか、3GPP標準のFRER(Frame Replication and Elimination for Reliability)機能も搭載でき、することにより、ユーザーデータの複製転送による高信頼伝送を実現するとしている。

 なおNECは、1月23日・24日に開催される「DOCOMO Open House 2020」に、XRエンターテインメント有限責任事業組合(中京テレビ放送株式会社、株式会社CTV MID ENJIN、株式会社アイデアクラウド)の協力のもと、5GCと1BOX-UPFを用いた、スタジアムやイベント会場向けのでの高信頼映像配信ソリューションを出展する。