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SQLAlchemyの基本的な使い方

Last updated at Posted at 2020-01-11

SQLAlchemyとは

SQLAlchemyとは,Pythonの中でよく利用されているORMの1つ.
ORMとは,Object Relational Mapperのことで,簡単に説明すると,テーブルとクラスを1対1に対応させて,そのクラスのメソッド経由でデータを取得したり,変更したりできるようにする存在.

ORMの利点とは

1. 異なるDBの違いを吸収してくれる

DBの種類によらず,同じソースコードで操作できるので,複数のDBを併用する場合や,DBを変更する場合にも,コードの書き換えの必要がない.

2. SQLを書かなくてもよい

MySQLや,SQLite,PostgreSQLなどのDBを操作するにはSQLを使うが,SQLAlchemyを使うと,SQLを直接記述することなしに,DBを"Pythonic"に操作できる.

SQLAlchemyの使い方

簡単な流れとしては,どのDBにどうやって接続するか,設定を行う.(その設定内容を保持したものがエンジンと呼ばれる)
その後,マッピングを行い,セッションを作成する.
そして,そのセッションを使ってDB操作を行う.

1. DBエンジンを作成する

from sqlalchemy import create_engine
engine = create_engine("{dialect}+{driver}://{username}:{password}@{host}:{port}/{database}?charset={charset_type})

のように書き,エンジンのインスタンスを作成する.各要素の説明は以下の表のとおり.

要素         説明
dialect DBの種類を指定する.sqlite, mysql, postgresql, oracle, mssqlとか.
driver DBに接続するためのドライバーの指定をする.指定しなければ,"default" DBAPIになる.
username DBに接続することができるユーザ名を指定する.
password DBに接続するためのパスワードを指定する.
host ホスト名を指定する.localhostとかIPアドレスとか.
port ポート番号を指定する.指定しなければ,defaultのポート番号になるっぽい?
database 接続するデータベース名を指定する.
charset_type 文字コードを指定する.utf8とか.

例えば,以下のような感じ.(driverとportとcharset_typeは指定していない.)

engine = create_engine("mysql://scott:tiger@localhost/foo")

2. モデルクラスを作る(テーブル定義を書く)

まずは,モデルベースクラスを作る.

from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
Base = declarative_base()

そして,このベースクラスを拡張すると,ORMで扱えるモデルクラスになる.
例えば,以下のようにクラスを書けばよい.
また,モデルクラスを定義するときに,メソッドを追加することも可能である.

from sqlalchemy.schema import Column
from sqlalchemy.types import Integer, String

class User(Base):
    __tablename__ = "user"  # テーブル名を指定
    user_id = Column(Integer, primary_key=True)
    first_name = Column(String(255))
    last_name = Column(String(255))
    age = Column(Integer)

    def full_name(self):  # フルネームを返すメソッド
        return "{self.first_name} {self.last_name}"

上で定義したのは以下の表のようなテーブルをマッピングさせたクラス.

Field      Type        Null   Key   Default Extra
user_id int(11) NO PRI NULL auto_increment
first_name varchar(255) YES NULL
last_name varchar(255) YES NULL
age int(11) YES NULL

このテーブルをDBに作成するには,

Base.metadata.create_all(engine)

これで,Baseを継承しているテーブル郡が一括して作成される.
詳しいテーブル定義の内容は,以下.
SQLAlchemyでのテーブル定義

metadataとは

上のコードでmetadataという言葉が出てきたが,metadataとは,DBの様々な情報を保持しているオブジェクトのこと.
このmetadataを使うと,既存のDBからテーブル定義をもってきたりすることもできる.

3. セッションを作成する

SQLAlchemyはセッションを介してクエリを実行する.
そもそも,セッションとは,コネクションを確立してから切断するまでの一連の単位のこと.(DBとPythonコードを結びつける紐のようなものというイメージ)

セッションを作るクラスをsessionmakerで作る.(使うエンジンが一定なら,このとき指定する)

from sqlalchemy.orm import sessionmaker
SessionClass = sessionmaker(engine)  # セッションを作るクラスを作成
session = SessionClass()

詳しい扱い方は以下.
SQLAlchemyでのsessionの扱い方

4. CRUD処理を行う

CRUDというのは,以下の機能をまとめた呼び方のこと.
・Create(新規作成)
・Read(読み取り)
・Update(更新)
・Destroy(削除)

セッションを閉じたり,明にcommit()しないとDBが更新されないので注意.

INSERT

新規オブジェクトをsessionにadd()すると,INSERT対象になる.

user_a = User(first_name="first_a", last_name="last_a", age=20)
session.add(user_a)
session.commit()
user_id first_name last_name age
1 a a 20

SELECT

テーブルからデータを取り出すには,queryを使う.

users = session.query(User).all()  # userテーブルの全レコードをクラスが入った配列で返す
user = session.query(User).first()  # userテーブルの最初のレコードをクラスで返す

詳しくは,参考文献.

UPDATE

セッションから取り出したオブジェクトを変更すると,UPDATE対象になる.

user_a = session.query(User).get(1)  # 上で追加したuser_id=1のレコード
user_a.age = 10
session.commit()
user_id first_name last_name age
1 a a 10

DELETE

セッションから取り出したオブジェクトをdelete()すると,DELETE対象になる.

user_a = session.query(User).get(1)
session.delete(user_a)
session.commit()

もしくは,検索条件にマッチするものを消すこともできる.

session.query(User).filter(User.user_id=1).delete()
session.commit()

5. 既存のテーブルを使う場合

3では,新規のテーブルをマッピングしたクラスを作成したが,既存のテーブルをマッピングしたクラスを作りたいときもあるはず.
手順としては,Baseクラスにmetadataを渡し,__tablename__を既存のテーブル名に合わせて,autoloadをTrueにすればよい.
Baseクラスにmetadataを渡す方法としては,Baseクラスを作るときにengineを渡す方法

Base = declarative_base(bind=engine)

や,Baseクラスを作るときにmetadataを渡す方法

from sqlalchemy.schema import MetaData
meta = MetaData(engine)
meta.reflect()  # metadataを取得, meta=MetaData(engine, reflect=True)と同じ
Base = declarative_base(metadata=meta)

や,Baseクラスを作ったあとに付与する方法

Base = declarative_base()
Base.metadata.bind = engine

がある.
例えば,テーブル名がexisiting_userというテーブルが存在していたとすれば.

Base = declarative_base(bind=engine)

class Exisiting_user(Base):  # クラス名は何でもok
    __tablename__ = "exisiting_user"
    __table_args__ = {"autoload": True}

とすればよい.

参考文献

この記事は以下の情報を参考にして執筆しました.
公式ドキュメント
PlaySQLAlchemy: SQLAlchemy入門
SQLAlchemyでデータベース定義を楽したい
【PythonのORM】SQLAlchemyで基本的なSQLクエリまとめ
sqlalchemyのautomapによる既存のDBからのmodelの生成について

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