継続利用サービス向けSaaS「KINCHAKU」、ウォレットパス機能を公開——小規模店舗でもスマホにクーポンやスタンプカードを発行可能に

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Image credit: Sete Mares

福岡に拠点を置く SaaS スタートアップの SETE MARES(セッティ・マーリス)は19日、同社の継続利用サービス向け SaaS「KINCHAKU」から、スマートフォンのウォレットに追加可能なクーポンやスタンプカードを発行・管理できる機能「ウォレットパス」をローンチしたと発表した。

小売、美容、飲食、サービス業の小売店が、ユーザのスマートフォンに登録可能なスタンプカード、クーポンを発行できる。Android と iOS に対応するスマートフォンで利用可能。

昨年のβローンチ当初、KINCHAKU を予実管理分析ツールとして紹介した。リアル店舗でのサブスク型サービスが脚光を浴びる中で、KINCHAKU はビジネスモデルをより小売業の業務効率化や O2O などの送客支援にシフトさせつつあるようだ。

クーポンが届いたことを示す通知画面と、ウォレットパスに格納されたクーポン
Image credit: Sete Mares

以前、THE BRIDGE では「Manageboard(マネージボード)」を提供するナレッジラボ、「DIGGLE」を提供するタシナレッジらを競合の名に上げたが、今回リリースされた機能を踏まえると、エンターモーションの「Insight Core」や Yappli、アメリカなら Skycore などとも接戦を強いられるかもしれない。

ただ、KINCHAKU が特徴的なのは、スタータープランが無料であり、スタンプカードや割引券の発行分に応じたウォレットパスによる従量課金から始められるので、一定規模やチェーン展開の小売店でなくても導入可能な点だ。

一般的に、小売店が独自アプリを提供しようすると、スクラッチ開発でなくても、そのコストや費用から一定規模のチェーン店などでないと導入が難しい。KINCHAKU を使えば、個人経営や単一店舗でも、かさばる紙やプラスチックカードに代わるデジタルな顧客リワードの提供が現実味を帯びてくる。

店舗がデザインを設定できるパスデザイナー画面
Image credit: Sete Mares

THE BRIDGE の取材に対し、SETE MARES 共同創業者の新宮ドミ(旧名:Besedin Dmitriy)氏は、「独自のアプリや CMS に依存させないアプローチをとっているところが特徴で、継続利用を促進できる手段であるクーポン、ロイヤリティプログラム、サブスクリプションをデータドリブンにすることで、事業の効率化・売上向上が期待できる」と述べた。

SETE MARES は昨年、共に XSHELL 出身の新宮氏と Mykyta Shevchenko 氏、かっこ出身の藤本雅之氏により設立。ソフトウェア系特化ファンドの MIRAISE から資金調達したことが明らかになっている

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