MEMORANDUM CEDRETABRI

ARS LONGA VITA BREVIS

株式会社ドワンゴを退職しました

孔雀は折らない(新卒入社ではないので)。

8月いっぱいで株式会社ドワンゴを退職します。
つまり今月で終わりなので、退職エントリを投稿しておこうと思う。
「退職しました」じゃなくて「退職します」が正しい……はい。

いつ入社したのか

去年の末、2018年12月に入社した。9ヶ月前だね。
この期間で退職してしまうというのは、つまりまぁ、それなりの理由があるわけだけど、そういうことを書いても気分が明るくなるわけもないので、ここでは楽しい話だけをしたいと思う。

そういうわけで、ドワンゴの良い(僕が良かったと感じた)ところを挙げていく。

ドワンゴの良いところ

たくさんある。

競技プログラミング

ドワンゴ競技プログラミング部は強くて優しい人たちがたくさんいる。
前職のように毎週定例があるというわけではなかったのだけど、オンラインやオンサイトのコンテストには皆積極的に参加していた。

どうして定例がなかったかという話だけど、実はスケジュールだけは毎週入れてあって、パラパラと人が集まって黙々と問題を解いていた。皆で同じ問題を解いたり、解説をしたりといった活動も、試してはみたのだけど、定着しなかった。これは何故かと言うと、部員間の実力に結構な差があって、上は赤コーダから下は僕のようなのまでといった広いレート層の人々が参加していたので、共通の問題を解いたり解説したりと言った活動にあまり意味がなかったのだと思う。

ただ集まって同じ問題を解かないからと言って、部としての活動がなかったわけではなくて、例えば AtCoder のコンテストの後では、会社の Slack で問題の検討とか解説とかが行われたりしていた。
また、休日に観光地に赴いて1泊2日の合宿などもした。この時は ICPC の過去問を解いた。幹事を務めてくださったやおっち、本当にありがとうございました。とても楽しかったです。

ocaml_lunch

毎週 ocaml_lunch というイベントがあって、 OCaml に興味のある人達と一緒にランチができた。こういう名前だけど、話題が OCaml 限定ということはなくて、関数型言語とか型理論とか定理証明とか、そういう話題を広く論じることができる場だった。僕はそっち方面に関しては素人同然だったのだけど、専門で学んでいる方々の話が聞けてとても為になった。

僕自身は仕事で OCaml を使うことはなかったけど、社内では OCaml で開発している部署もあって、そういう部署の人達に実用的な OCaml の情報を聞くこともできた。主催者のよしひろさん、本当にありがとうございました。

ちなみにドワンゴで開発している、 OCaml 製のプロダクトというのがこの fialyzer
Erlang の静的型解析ツールである。

KBKZ.rb

ドワンゴには Ruby で開発している部署が幾つかあって、社内に Rubyist も結構いる。
そういう人達が集まって、 Ruby についての話題を語り合う場として KBKZ.rb という社内勉強会が催されていた。

週一のペースで開催されていたのだけど、話題が尽きることはなくて、 Ruby の言語仕様とか面白い挙動、「こういう事やりたいんだけどどうすればいい?」みたいな質問相談などなど、皆で話し合って情報を共有したり、疑問を解決したりすることができた。
Ruby そのものについての知識は深まったし、 Ruby のライブラリや周辺環境に関する見識も涵養された。本当に有意義な時間だったと思う。

主催者のただしさん、本当にありがとうございました。

ちなみにドワンゴRuby を使って開発している部署には、例えば教育系がある。

【教育事業】Webアプリケーション開発エンジニア(正社員)

エンジニアLT

ドワンゴには毎週エンジニアが LT をする場としてエンジニア LT というものがある。
管掌部署の消滅で一緒に消えかかったりしたのだが、無事有志のボランティアで継続されたという、社員からも愛されているイベントだ。

僕もこの LT で何度か発表させてもらった。内容は……うん、まぁ。いや、こういうのは発表することに意義があるのではなかろうか。
9ヶ月ドワンゴにいたのだけど、合計で9回LTをした。つまり1月に1回のペースだ。
発表の為に調査し、資料を作り、練習をする経験って貴重なものだと僕は思っているので、そういう経験を何度も積ませてもらったこのエンジニア LT は本当にありがたいイベントだと思う。

ボードゲーム

ドワンゴでボートゲーム部と言った時、実は似たような活動がたくさんあって、大きく「ポーカー」「ボードゲーム」「TRPG」などに分かれている。
その他に「麻雀部」「囲碁将棋部」があったみたい。カードゲーム部もあったかな?

この内最大派閥は(派閥、というかメンバーが被ってたりするのだけど)多分ポーカー部で、業務後に社内のカフェに集まってポーカーに興じるなどしているのだけど、4日連続で集まっていた週などもあった。

僕もこのポーカー部の活動にちょっと参加させてもらって、生まれてはじめてテキサスホールデムを遊んだりした。
これはとても楽しかった。と、同時に、なるほどポーカーは確率と考察力と観察力の勝負なのだな、と痛感したりもした。

ボードゲーム部は、多分エンジニアの強い会社には大抵あると思っていて(前職でもあった)、いわゆるアナログなボードゲームを使って遊ぶ集団だ。
ドワンゴのオフィスにはたくさんボードゲームがあった。どのくらい「たくさん」かと言うと、ボードゲームが棚を埋め尽くしていて、入り切らない分は秘密の場所に格納していたくらい。週に1回とか2回の頻度で会を開いて、そのボードゲームで遊んでいた。
カタンドミニオンといった定番から、ちょっと名前が思い出せないマイナーボドゲまで様々あったが、新しく出たボードゲームを皆で遊んでみることが多かったように思い出せる。
うっかり重いゲームに手を出してしまったが最後、危うく終電を逃しそうになることも何度かあった(ドワンゴは近距離手当の制度があり、かつ自転車通勤も認められていたので、終電なんかに束縛されない同僚も多かったけど)。

TRPGボードゲーム部からの派生。ただしこれは、その遊戯の性質上「仕事終わりにさくっと」とはいかないので、休日に集まってプレイする形だった。 オフラインセッション、興味はありつつも手を出せずにいたのだが、ドワンゴに入ってようやく機会を得ることができた。とても楽しくて興味深い経験となった。

その他、麻雀に関しては、ちょっと時間的な都合が合わず、とても残念ながらほとんど参加することはできなかった。

銀座のご飯

お手頃価格でとても美味しい。
「銀座って高そうじゃない?」というイメージがあるかと思うのだけど、ランチは1000円くらいだよ(1000円でも高いよ! って突っ込まれたこともあるけどね……)。しかもそういうランチを、夜に高いお金で食事を出す優良なお店が提供してくれる。これは最高。
店の数も多く、種類も多く、よりどりみどり。道はよく整備されているから、少し遠くのお店でも散歩がてら食べに行くのが苦にならなかった。裁量労働なので一番の混雑期を外して食べに行ける点も大きい。

退職した人達が、お昼だけはわざわざ銀座までやってきて食べているのも目撃している。それくらい美味しいお店が多い。

銀座ランチ、機会があれば是非とも体験してみて欲しい。

なんで辞めるの?

これについては割愛する。

次は何をするの

次は教育系の開発のお仕事をする。

言語やフレームワークは、 RubyRails 、 TypeScript と React などになる。
これらの、「今まで浅くは関わっていたけど仕事でちゃんと触った経験が少ない」技術をきっちりと考えたいと思っていたので、とても好ましい環境だ。
強い、尊敬する Rubyist の人達がいるのも嬉しい。

じゃあ Scala に対する興味を失ったかと言うと、全然そんなことはなくて、今でも Scala は仕事で使いたい言語のトップである。
機会があればまた Scala で仕事をしたい。

また、今は BuckleScript と ReasonML にどっぷりはまっているので、これも続けたい。
仕事で使うのは……まぁ難しいかもしれない(けど、機会があれば是非!)