アストンマーティン、新型HVハイパーカーとザガートの名車の復刻生産車を披露へ

アストンマーティン・ヴァルハラ
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アストンマーティン(Aston Martin)はモントレー・カー・ウィーク中の8月16日に開催されるクエイル・モータースポーツ・ギャザリングに、『ヴァルハラ』と『DB4 GT Zagato コンティニュエーション』を出展する。

ヴァルハラは新型ミッドシップハイパーカー、DB4 GT Zagato コンティニュエーションは、およそ60年前の名車の復刻生産車となる。

最先端の航空宇宙技術を採用したデザイン

ヴァルハラは、アストンマーティンのハイパーカー、『ヴァルキリー』と同じく、レッドブル・アドバンスドテクノロジーズ社と共同開発される。ヴァルハラは、軽量構造ボディを備え、ガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレインを搭載する。公道走行可能な車としては最高レベルのダウンフォースを発生するエアロダイナミクス性能、アクティブサスペンションシステム、ドライバーコントロールシステムを採用し、公道とサーキットの両方で、ハイパーカートップレベルのダイナミクスを追求するという。

ヴァルハラは、基本的なスタイリングとエアロダイナミクスを、アストンマーティンヴァルキリーと共有する。特徴的なフロントバンパーと大型のディフューザーを備え、フロア下を流れるエアから強力なダウンフォースを生み出す。さらに、ヴァルハラは、次世代航空機の翼全体を滑らかに変形させながら飛行する技術、「モーフィングテクノロジー」を応用している。

「FlexFoil」と呼ばれるこの技術は、広範囲に及ぶ性能や音響飛行試験を通じて、NASA(米航空宇宙局)によって検証されている。アストンマーティンは、この最先端の航空宇宙技術を自動車業界で初めて採用するメーカーになるという。

V6ターボにモーターを組み合わせたハイブリッド

パワートレインは、アストンマーティンが自社開発した。V型6気筒ガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドとなる。この新しいパワーユニットには、「ネクセル」(Nexce)と呼ばれるシーリングオイルシステムが採用される。このオイルカートリッジは、90秒以内に交換することが可能で、交換されたオイルは、その後精製されて再利用される。このシステムは、サーキット専用車のアストンマーティン『バルカン』に初めて搭載され、その性能と耐久性をニュルブルクリンク24時間レースなどで証明してきた。ヴァルハラは、ネクセルシステムを搭載した公道走行可能な世界初の市販車になる。

ヴァルハラは、前方へ開くレーシングカーの「LMP1」スタイルのドアを備える。運転席と助手席の間隔を広げるために、センターコンソールの幅が拡げられ、ラゲッジスペースはシート後方のフロアからアクセスできる。コックピットは、運転に集中できるよう、大胆で新しいデザインと素材を採用。「アペックス・エルゴノミクス」と呼ばれるこのコックピットは、ドライバーの背中、ステアリングホイールとペダル類の中心が、完全に整列している。ステアリングコラムに取り付けられたディスプレイは、ステアリングホイールのリムによって遮られることのない非常に優れた視認性を実現。インフォテインメントシステムは、スマートフォンを利用する。

ヴァルハラでは、アストンマーティンが「スペースクラフト」と呼ぶ宇宙時代のテクノロジーと伝統工芸の融合を目指す。これによって、ウッドやレザーなどを使用しなくても、軽量な構造や先進的なデザイン、3Dプリント技術を適用することで、高い価値を備えたインテリアを可能にした。たとえば、3Dプリンターによって製造されたセンターコンソールは、機能スイッチを内蔵しながらも、重量を50%も削減することに成功している。

また、日常走行にも適した室内空間や荷物スペースも持つように設計される。世界のすべての市場で型式認証を取得可能で、左ハンドルと右ハンドルの両タイプが用意される。なおヴァルハラは、クーペボディを世界限定500台で生産し、2021年後半から納車を開始する計画だ。

ザガートの創業100周年を祝って19台を復刻生産

一方、DB4 GT Zagatoコンティニュエーションは、およそ60年前に19台のみが生産された『DB4 GT Zagato』の復刻モデルだ。イタリアの名門カロッツェリア、ザガートは2019年、創業100周年を迎える。アストンマーティンとザガートは過去およそ60年間、パートナーシップを構築してきた。アストンマーティンとザガートの最初の共同開発車が、1960年に発表されたDB4 GT Zagatoだ。

アストンマーティンは、2019年のザガート100周年を記念して、このDB4 GT Zagatoを、DB4 GT Zagato コンティニュエーションとして復刻生産する。DB4 GT Zagato コンティニュエーションは、サーキット専用モデル。1960年代、アストンマーティンとザガートは、サーキットでフェラーリと競うために、DB4 GT Zagatoを19台製作した。DB4 GT Zagato コンティニュエーションは、このDB4 GT Zagatoを忠実に再現するべく、ハンドメイドで生産される。

最新のデジタルスキャン技術を生産に活用

その生産手法は、軽量チューブラーフレームを薄板アルミ製ボディパネルで覆うという当時と同じものだ。ボディワークには、パネルの精度と均一性を向上させるために最先端のデジタルスキャン技術を活用する。ボディパネルは、1.2mm厚のフラットなアルミ製シートから製作され、1960年代当時のテクニックを再現しながら、数百時間にも及ぶクラフトマンシップによる手作業で仕上げられる。

DB4 GT Zagatoコンティニュエーションの最初の1台は、ロッソマハと呼ばれる赤で塗装された。オリジナルモデルの塗料を手がけた「Max Meyer & ICI」が調合したカラーを忠実に再現する。ホイールは、シルバーで塗装され、リップ部に光沢仕上げが施された「ボラーニ」ホイールを標準装備した。

インテリアは、オブシディアンブラックレザーを基調とした。カーボンファイバー製シート、ドアカード、ヘッドライナー、リアエリアには、すべてこのレザーが採用されている。フロアには、オブシディアンブラックレザーの縁取りが施され、オブシディアンブラックによるマッチングステッチを添えたブラックウィルトンカーペットが装備される。FIA(国際自動車連盟)公認のロールケージが組み込まれた。

ボンネットの下には、ツインスパークプラグを備えたTadek Marek製の4.7リットル直列6気筒ガソリンエンジンを搭載する。最大出力380hpのパワーを、4速MTで引き出す。LSDを介して、後輪を駆動する。

DB4 GT Zagato コンティニュエーションは、英国バッキンガム州ニューポートパグネルにあるアストンマーティンのヘリテージ部門で組み立てられる。アストンマーティンのヘリテージ部門は、世界最大かつ最も設備の整ったアストンマーティンの旧車向け工房だ。アストンマーティンによると、今回の復刻プロジェクトに最適な工房になるという。

なお、「DBZ センテナリー コレクション」と命名された限定車は、DB4 GT Zagato コンティニュエーションと公道走行可能な『DBS GT Zagato』と2台合わせて、600万ポンド(約7億7180万円)で、19人の顧客のためだけに生産される。顧客への引き渡しは、2019年第3四半期(7~9月)からを予定している。

《森脇稔》

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