この記事は Apple の Human Interface Guideline の Accessibility - Best Practices の部分を翻訳したものになります。正確な情報は公式ページを御覧ください。なお、言葉遣いには気をつけているつもりですが、不適切な部分がありましたら編集リクエストをください。
インクルーシブデザインのベストプラクティス
インクルーシブデザインは、誰もがアプリを使用、理解できるようにすることで、より多くの人にアプリを楽しむチャンスを与えられます。インクルーシブなアプリを作るには、以下の3つのベストプラクティスが役立つでしょう。
アクセシビリティを考慮したデザイン
アクセシビリティは障害を持つユーザが情報を得られるようにするだけを指すのではありません。能力や状況によらず、すべての人が情報を得られるようにすることを指します。アクセシビリティを念頭に置いてアプリをデザインするということは、異なる能力を持つユーザ、様々な方法でデバイスを用いるユーザを除け者にすることがないよう、シンプルさ、知覚しやすさを優先しつつ、全てのデザイン的決断をすることを意味します。
シンプルさ:複雑なタスクが簡単になったり、操作がわかりやすくなるように、インタラクションを馴染みのあるもの、一貫性のあるものにします。
知覚しやすさ:視覚、聴覚、触覚のどれを使っていようと、すべてのコンテンツが知覚できるようにします。
サポートのパーソナライズ
あらゆる状況、全てのデバイスでアプリを楽しめるよう、デバイスの向き、画面サイズ、解像度、色域、スプリットビューなどの様々な要因にアプリが適応できるようにしましょう。ユーザが自分に合ったデバイス操作ができるようアクセシビリティ機能を組み込むには、最小限の努力で可能です。
標準コントロールを使ってアプリのUIを実装すると、テキストやインターフェイス要素は自動的に太字テキスト、大きいテキスト、色反転、コントラスト強化などのいくつかのアクセシビリティ設定に適応させることができます。
アプリのアクセシビリティについての検証、テスト
アプリ内の全ての要素を調べることで、修正すべきリストを全体的に洗い出すことができます。テストでは、どのような方法でデバイスを操作するかによらず、全てのユーザがアプリ内の重要タスクを完了できるかを確認するのに役立ちます。
アクセシビリティ機能をオンにして重要なユーザフローをテストすると、様々な方法でデバイスを操作するときの課題を認識することができます。また、優れたユーザ体験を提供できていない箇所を発見することもできます。
例えばソーシャルメディアアプリの一般的なユーザフローは、「コメントに対するリプライを書き込む」ことです。このフローを構成するタスクには、次のものが含まれます。
- 投稿されたコメントを読む
- リプライする投稿を選択する
- リプライを書く画面を開く
- リプライを編集する
- リプライを投稿する
アプリにおける重要なユーザフローごとに VoiceOver、視差効果を減らす機能、文字サイズを拡大する機能などのアクセシビリティ機能をオンにし、全てのフローを問題なく完了できるかどうかを確かめます。うまくできなかった部分を修正したら、今度は異なるアクセシビリティ機能をオンにして、再度ユーザフローを検証します。
Xcode の Accessibility Inspector は、アプリの検証、テスト、修正をするときに役立ちます。