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コマツのスマートコンストラクション、ユーザーサポートの問題解決時間を30倍高速化へ

2019年8月8日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

建設機械大手の小松製作所は、建設現場向けソリューション「スマートコンストラクション」の性能監視、顧客体験監視のため、New Relicが提供するアプリケーション監視ツール「New Relic」を採用した。これにより、顧客サポートの問題解決速度が30倍高速化する見込みだとしている。2019年8月8日にNew Relicが発表した。

 コマツのスマートコンストラクション(関連記事コマツのIoT活用とローソンのビッグデータ活用に見る「現場の見える化」の重要性)は、建設生産プロセスの全工程や関与する人材をICTでつなぎ、全体最適を実現するためのサービス。建設現場の省人化や工期短縮を実現するためのプラットフォームで、約8200の建設現場で採用されている。

 スマートコンストラクションのソフトウェア開発および運用チームでは、一部インフラの性能監視ツールを導入していた。しかし、これだけではサービスの性能やビジネス状況、稼働状況、顧客体験の状況などの指標をデータ観測することはできない。建設現場のユーザーから、「アプリケーションのレスポンスが悪くて建設作業が滞っている」といった指摘を受けて、初めて自分たちの提供サービスに問題があることに気づくという状況にあったという。

図1:スマートコンストラクションでは問題解決に時間がかかっていた(出典:New Relic)
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 運用チームでは、ユーザーから指摘を受けたのち、当該システムのログを一行一行見ながら問題を解決していくという工程を取っていた。問題の発生を特定できても、アプリケーショのどのトランザクションが起こしているのか、あるいはどのインフラが引き起こしているのかなど、問題の切り分けに時間がかかっていた。そのため、障害や問題のプロアクティブ検知、コードレベルでの早期特定、サポートのプロアクティブ化などが目標となっていた。

 コマツが今回採用を発表したNew Relicは、同社が「可観測性プラットフォーム」と呼ぶアプリケーション監視ツールである。

 エージェントソフトを、監視が必要なアプリケーションの端末やインフラにインストールすると、その稼働状況がリアルタイムで送られてくる。パフォーマンスの閾値をあらかじめ設定しておくと、エージェントソフトから送られてきたデータを可視化して、閾値を超えると一目でわかるようになる。アプリケーションのトランザクションや動的に変化するインフラリソース、ユーザーの利用状況、満足度までを観測可能にする。

図2:New Relicのサービス構成図(出典:New Relic)
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 アプリケーションのコード単位まで瞬時に特定するので、問題解決までの時間を大幅に短縮できる。これにより、ユーザーから指摘を受ける前に手を打つことが可能になる。コマツは、New Relicの導入により、ユーザーサポートにおける問題解決を従来の30倍高速化できるほか、ソフトウェアのテスト工程も15%削減できる見込みだとしている。

 2019年6月から本格的な導入作業を開始し、9月には運用を開始する予定となっている。

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