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ダメ会議は可視化せよ! 書くことで議論が急速に噛み合う、これだけの理由今日から始める“ダメ会議”脱却術(1/2 ページ)

» 2019年06月20日 07時00分 公開
[榊巻亮ITmedia]

この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。


 「脱ダメ会議」の実現に向け、会議の基礎を解説するこの連載。これまでは会議開始時と終了時のポイントを紹介してきたが、今回は会議進行時のポイント「議論を可視化する」について解説しよう。

会議でやるべき8つの基本動作

  1. 会議の終了時に、「決まったこと」「やるべきこと」を確認する
  2. 会議の開始時に、「会議の終了条件」を確認する
  3. 会議の開始時に、「時間配分」を確認する
  4. 議論を可視化する  ←※今回はここ
  5. 「4つのP(目的、人、進め方、装備)」を押さえて会議を準備する
  6. 全員から主張を引き出す
  7. 対話を促し、合意形成する
  8. 振り返りをする
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発言を「書く」ことの重要性

 基本動作1〜3は、議論を引き出し、対話を促進するためのコツだった。実践すると、活発に意見が交換されるようになるだろう。これだけでも十分良い会議になるのだが、副作用もある。発言量が増え、議論が混沌としてくるのだ。これに対処する方法が、基本動作4「議論を可視化する」だ。

 やるべきことはシンプルだ。書けばいい。

 「書く? それだけ?」と思われるかもしれないが、「書く」ということは極めて重要なのだ。当たり前だが、人の発言は目に見えない。だから、“書かない”会議では、誰が何を言ったか全部記憶しながら議論していることになる。

 人間は一度に7つのキーワードしか覚えられないといわれているが、2時間の会議で上がるキーワードはとんでもない数になっているはずだ。例えるなら、「目隠し将棋」と同じ状態で、全てを記憶しながら議論するのは、とうてい無理だ。

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 目隠し将棋は、将棋盤を用意せずに「2四歩」「3五飛車成」などと言葉だけで将棋を指すことだ。頭の中に将棋盤を描き、自分の手駒がいくつあって、相手の手駒は何で……と全て頭の中で処理して、次の一手を考えるわけだ。プロの棋士がパフォーマンスでやってみせることもあるが、想像しただけで凡人にはマネできない神業だと分かるだろう。

 しかし、書かない会議ではこれと同じことが起こっている。無意識のうちに、脳のリソースの大半を記憶することに割いているのだ。

 これを開放するのが、書くという行為だ。頭の中の将棋盤が、書くだけで目の前に現れる。

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