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DMP、演算機最適化で高速化/小型化した推論用AIコア

 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルは、エッジAIプロセッサIPコア「ZIA DV720」を販売する。

 DV720は、「ZIA DV700」の後継となるIPコアで、深層学習の推論処理に特化し、画像や動画、音声といったデータに対する推論処理を可能とする低消費電力プロセッサIP。DV700/DV720では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の成果が一部活用されている。

 DV720ではDV700の深層学習専用演算器(MAC)を最適化することで、さらなる小型化と高性能化を実現。従来はソフトウェアで処理していたINT-8/FP16コンバータのハードウェア化、IPコア内部のパイプライン効率化により、16nmプロセスのASIC搭載時に1GHz以上の動作周波数を実現する。

 XilinxのZynq UltraScale+ MPSoCに搭載時は、DV700と比較して60%の小型化と3.2倍以上の高性能化を両立し、コア周波数420MHzで動作させることが可能で、これにより、FPGA使用時においても従来のASICに近い性能を達成でき、高性能なエッジAIアプリケーションの実現に最適とする。

 SDKなどの開発ツールは従来品と後方互換性が確保されており、CaffeやKeras、TensorFlowなどの汎用AIフレームワークを活用した学習済みネットワークを用意すれば、簡単にDV720で推論処理を行なうことが可能。深層学習専用の演算器(FP16対応)で推論処理を行なうため、高性能/高精度を要求される先進運転支援システム、次世代ロボット、ドローン、セキュリティ監視ソリューション、メディカルなどの各種エッジアプリケーション製品で利用できるとしている。

 また6月3日には、ZIA FPGAモジュール「ZIA C3」へDV720を実装した新バージョンのリリースおよびアップグレードが予定されている。