「Ubuntu 19.04 “Disco Dingo"」リリース

 英Canonicalは4月18日、LinuxディストリビューションUbuntuの最新版「Ubuntu 19.04」(Disco Dingo)の公開を発表した。

 2018年10月に公開した「Ubuntu 18.10」(Cosmic Cuttlefish)に続くリリースで、Linuxカーネルはバージョン5.0をベースを採用。これによってAMD Radeon RX Vega Mグラフィックプロセッサなどの最新ハードウェアに対応できる。ツールチェーン側では、glibc 2.29、OpenJDK 11、boost 1.67、rustc 1.31、GCC 8.3、GCC 9、Python 3.7.3(デフォルト)など最新のものをサポートした。

 サーバー向けとなるUbuntu Serverではオープンなインフラ実装にフォーカスし、OpenStack Stein、Kubernetes 1.14、Ceph Mimicなどインフラ関連のソフトウェアをアップデートした。OpenStack SteinではGPGPUとFPGAパススルーによりAIとNFVのハードウェアアクセラレーションを、Ceph Mimiはマルチサイトの複製を、Kubernetes 1.14は最新のcontainerdダイレクトランタイムなどが利用できるようになった。これらによってベアメタル、VMware、OpenStack、主要なパブリッククラウドを対象にしたライフサイクル管理を実現するという。

 IoTではエッジ分野で機能強化を図った。オープンソースのエッジ向けフレームワークEdge Xスタックと幅広い制御機能をUbuntuベースのデバイスで統合できるようになった。Snap経由で複数のディスプレイソリューションも入手できるという。

 開発者向け機能として、CI/CD用途向けに同一Snapの複数のインスタンスをインストールできるようになった。

 Snapについては先にMicrosoftの「Visual Studio Code」がSnapとして提供されており、現在2000以上のISVが参加しているという。2018年10月から6か月の間で、Snap storeで公開されているSnapの数は30%増加したと報告している。

 デスクトップ関連では「GNOME 3.32」をデスクトップ環境に採用、性能の改善、分数スケーリングなどの特徴を利用できる。また、VMwareとの統合をすすめ、VMware上でUbuntu Desktopをインストールすると自動的にopen-vm-toolsパッケージもインストールされるようになった。Grubメニューも強化し、NOMODESETで起動するオプションが加わった。

 このほか、Firefox 66.0、LibreOffice 6.2.2などデスクトップアプリケーションも最新版にアップデートされている。Ubuntu 19.04はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Ubuntu
http://www.ubuntu.com/