【Google Chrome】「特別なURL」でトラシューや開発、管理に便利な機能を呼び出す(一覧あり)Google Chrome完全ガイド

Google Chromeのアドレスバーに「chrome://about」のような特別な表記のURLを入力すると、Google Chromeの詳細な設定画面を表示させたり、トラブルシューティングに便利な機能を呼び出せたりできます。Web系の開発者や管理・運用担当者向けに、そのURL表記の一覧を紹介します。

» 2019年04月17日 05時00分 公開
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連載目次

Chromeにはたくさんの「秘密のURL」が隠されている!?

 アプリケーションの設定を変更したり、状態を確認したりするには、メニューからオプション設定画面を呼び出したり、デバッグ機能を起動したりするのが一般的です。

 一方Google Chrome(以下、Chromeと略)の場合は、それだけではなく、アドレスバー(オムニボックス)に「chrome://〜」で始まるURLを入力すると、詳細なバージョンや内部状態を表示させたり、さまざまな機能を呼び出したりできます。

 例えば「chrome://version」と入力すると、Chromeのバージョン情報が表示されます。

Chromeの詳細なバージョン情報を表示させる特別なURLの例 Chromeの詳細なバージョン情報を表示させる特別なURLの例

 Chrome本体に限らず、Chromeに内蔵されているJavaScriptやFlashなどのエンジンのバージョンも確認できます。これは、設定メニューの[ヘルプ]−[Google Chromeについて]で表示される概要情報より詳しい内容です。

Chromeの特別なURLの一覧を表示させる

 「chrome://〜」で始まる特別なURLは、次のいずれかをアドレスバーに入力して[Enter]キーを押すと一覧表示され、確認できます(全て同じページが表示されます)。

  • chrome://about
  • chrome://chrome-urls
  • about:about
Chromeの特別なURLの一覧を表示させる Chromeの特別なURLの一覧を表示させる

 デスクトップ版Chromeの場合、以下のキーボードショートカットによってアドレスバーへ素早く移動できます。

  • Windows OS版: [Ctrl]+[L]、[Alt]+[D]、[F6]キーのいずれか
  • macOS版: [command]+[L]キー

 また、上の画面のURLを覚えるのが面倒ならば、一般的なWebページと同様にブックマークしておくと簡単に呼び出せます。

 上の画面の「For Debug」カテゴリーにある機能は、指定したエラーなどを引き起こすためのものであり、各種デバッグでしか使うことはありません。そのため、間違って実行しないように、リンクではなくただの文字列になっています。呼び出すには、この文字列をコピーしてアドレスバーに入力する必要があります。

Chromeの「特別なURL」の一覧と概要

 こうやって呼び出せる機能は、管理者やWebサイトの開発者にとっては有用なものが多くあります。

 具体的には、Chromeの内部状態やキャッシュなどの情報、使用しているプロトコルや通信内容、統計情報、レンダリングパフォーマンスログの表示、各種拡張機能やオプションフラグの設定など、多岐にわたっています。

URL 機能
about:
chrome://version
Chromeの詳細なバージョン情報の表示
about:about
chrome://about
chrome://chrome-urls
特別なURLの一覧の表示
chrome://accessibility ユーザー補助機能の有効/無効
chrome://appcache-internals アプリケーションキャッシュの表示
chrome://apps インストールされている拡張アプリの一覧。[アプリ]ボタンと同じ
chrome://blob-internals BLOB(Binary Large Object)という内部データの一覧
chrome://bluetooth-internals Bluetoothのインタフェースアダプターや機器の状態の表示
chrome://bookmarks ブックマークマネージャの起動
chrome://chrome Google Chromeの概要ページの表示
chrome://components Chromeに読み込まれているコンポーネントの一覧表示と更新
chrome://conflicts Chromeに読み込まれているモジュールの一覧と衝突情報の表示
chrome://crashes Chromeの障害発生ログ
chrome://credits Chromeに組み込まれているモジュールのライセンス情報の表示
chrome://device-log デバイスに関するログの表示
chrome://devices Chromeから利用できるデバイス(プリンタなど)の一覧
chrome://dino 横スクロールのゲームの起動
chrome://discards 破棄されたタブの情報の表示
chrome://download-internals Chrome内部での各種ダウンロード情報の表示
chrome://downloads ダウンロード画面の表示
chrome://extensions インストール済みの拡張機能の一覧画面
chrome://favicon/<URL> 指定したWebサイトの保存済みfavicon(URL欄に表示される小さいアイコン。お気に入りアイコン)を表示させる。
例:chrome://favicon/https://www.atmarkit.co.jp/
chrome://flags Chromeの「試験的な機能」の有効/無効などの設定
Chromeの特別なURLの一覧(1/3)

「chrome://flags」の例 「chrome://flags」の例

URL 機能
chrome://gcm-internals Google Cloud Messaging情報の表示
chrome://gpu GPU(ハードウェアグラフィックス機能)関連情報の表示
chrome://help 「Google Chromeについて」画面の表示
chrome://histograms 各種統計情報のヒストグラム表示
chrome://history 履歴画面の表示
chrome://indexeddb-internals IndexedDB(ローカルストレージで利用できるデータベースの一種)情報の表示
chrome://inspect Chromeデベロッパーツール(開発者向けの補助ツール)の起動
chrome://interstitials Webページへの遷移直前に挟み込まれる各種通知/警告/エラー画面の表示
chrome://interventions-internals Chrome内部での各種プレビューやブラックリストの設定
chrome://invalidations Invalidations(オブジェクトの無効化)に関するデバッグ情報の表示
chrome://local-state ローカルステート情報の表示
chrome://media-engagement ビデオや音声などのマルチメディアデータを再生したWebサイトの履歴の統計情報
chrome://media-internals ビデオや音声などのマルチメディアデータに関する情報の表示
chrome://nacl ChromeのNaCl(ネイティブクライアント)情報の表示
chrome://net-export 通信データのキャプチャーや解析のための機能。通信プロトコルの詳細やタイミングなどが調査可能。キャプチャーされたデータはJSON形式でファイルに保存
chrome://net-internals 通信データのキャプチャーや解析のための機能。通信プロトコルの詳細やタイミングなどが調査可能。キャプチャーされたデータはリアルタイムで表示
chrome://network-error/<番号> ネットワークエラー画面の表示用URL
chrome://network-errors ネットワークエラーメッセージの一覧の表示
chrome://newtab 新しいタブページの表示
chrome://ntp-tiles-internals 新しいタブにタイル形式で表示される推奨ページ一覧の設定や詳細情報の表示
chrome://omnibox オムニボックス(アドレスバーのテキスト入力ボックスのこと)の機能(自動補完やサジェスチョンなど)のテスト画面
chrome://password-manager-internals パスワードマネジャーの表示
chrome://policy ブラウザポリシーの表示
Chromeの特別なURLの一覧(2/3)

「chrome://histogram」の例 「chrome://histogram」の例

URL 機能
chrome://predictors 自動補完リストなどの表示
chrome://print 印刷プレビューページの表示
chrome://quota-internals ディスクの使用量やクオータ設定などの表示
chrome://safe-browsing 安全ではないWebサイトの閲覧を防ぐ「セーフブラウジング」機能の内部情報の表示
chrome://serviceworker-internals Service Worker(バックエンドで実行されるスクリプト)の情報の表示
chrome://settings 設定画面の表示。ツールバー右端のメニューから起動する[設定]メニューの画面と同じ
chrome://signin-internals サインイン情報の表示
chrome://site-engagement Webサイトの訪問回数の統計情報
chrome://suggestions サジェスチョン情報(新しいタブに表示される、よく使うサイトなどの情報)の表示
chrome://supervised-user-internals ユーザー情報の表示やフィルタリングの設定
chrome://sync-internals ユーザー設定の同期機能に関する情報の表示
chrome://system システム診断データの表示
chrome://taskscheduler-internals Chrome内部のタスクスケジューラの情報表示
chrome://terms Google Chrome利用規約の表示
chrome://thumbnails Webページのサムネイル情報の表示
chrome://tracing レイテンシやレンダリングなどの情報の記録と表示
chrome://translate-internals リソースの翻訳などに関する情報の表示
chrome://usb-internals USBデバイスに関する情報の表示
chrome://user-actions ユーザーアクティビティー(タブの操作やページのロードなど)のモニター
chrome://webrtc-internals WebRTCに関する内部データの取得
chrome://webrtc-logs WebRTCログの表示
view-source:<URL> Webページのソースコードを表示させる。
例:view-source:https://www.atmarkit.co.jp/
Chromeの特別なURLの一覧(3/3)

「chrome://suggestions」の例 「chrome://suggestions」の例

デバッグ用の特別なURLの一覧と概要

 前述したように「For Debug」以下に表示されているURLはデバッグ用であり、指定された障害などを強制的に発生させるものです。実行すると警告なしでいきなりChromeが強制終了するURLもあります。むやみに実行しないように注意しましょう。

URL 機能
chrome://badcastcrash バッドキャストクラッシュの実行
chrome://inducebrowsercrashforrealz/ (chrome://crashとは別の手法での)クラッシュの実行
chrome://crash クラッシュの実行
chrome://crashdump クラッシュとダンプの実行
chrome://kill 強制終了
chrome://hang ハング(無応答状態)の実行
chrome://shorthang ショートハングの実行
chrome://gpuclean GPUのクリアの実行
chrome://gpucrash GPUのクラッシュの実行
chrome://gpuhang GPUのハングの実行
chrome://memory-exhaust メモリ不足状態にする
chrome://ppapiflashcrash Pepper Flash(代替Flashプレーヤー)のクラッシュの実行
chrome://ppapiflashhang Pepper Flashのハングの実行
chrome://inducebrowserheapcorruption/ ブラウザのヒープ領域(動的に確保されるメモリ領域)の破壊を誘発
chrome://heapcorruptioncrash/ ヒープ領域の破壊によるクラッシュの実行
chrome://quit/ Chromeの終了
chrome://restart/ Chromeの再起動
Chromeの特別なURLの一覧(デバッグ用)

プラットフォームによっては利用できないURLもある

 Windows OSやmacOS、iOS(iPhone/iPad/iPod touch)、Android OSといったプラットフォームによっては、上記のURLの一部は利用できない(呼び出してもエラーになる)ことがあります。例えば前述の「chrome://devices」(プリンタなど利用可能なデバイスの一覧)はiOS版Chromeでは利用できません。

■更新履歴

【2019/04/17】スクリーンショットを刷新、拡充しました。Chrome最新版の情報を反映しました。

【2018/03/19】スクリーンショットを拡充しました。Chrome最新版とWindows以外のプラットフォームの情報を反映しました。

【2016/11/21】初版公開。


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