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次世代Webアプリケーションフレームワーク「Angular」の活用

AngularのPWA(Progressive Web Apps)機能でWebプッシュ通知を実装

次世代Webアプリケーションフレームワーク「Angular」の活用 第17回

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 本連載では、Webアプリケーションフレームワーク「Angular」の活用方法を、サンプルとともに紹介しています。前回はネイティブアプリのような使い勝手のWebページを実現するPWA(Progressive Web Apps)の利用法を紹介しましたが、今回はPWAならではの機能と言える、Webプッシュ通知をAngularで実装する方法を説明します。

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はじめに

 Angularは、Googleとオープンソースコミュニティで開発されているJavaScriptフレームワークです。最初のバージョンはAngularJS(AngularJS 1)と呼ばれていましたが、バージョン2で全面的に刷新され、以降、おおむね半年に1回アップデートされています。

 PWA(Progressive Web Apps)は、まるでネイティブアプリのような使い勝手を提供するWebページです。前回記事では、「Web App Manifest」でWebページのアプリ名やアイコンを定義する方法や、「Service Worker」でWebページをキャッシュしてオフライン時に利用する方法を説明しました。

 今回取り上げる「Webプッシュ通知」は、スマホアプリで利用されるプッシュ通知機能を、Webページで実現するものです。例えば、新着記事やお得なキャンペーンといったWebページからのお知らせを、利用者にプッシュ通知で送信して、Webページへのアクセスを促すといった活用方法が考えられます。Webプッシュ通知は、ネイティブアプリの使い勝手を目指すPWAならではの機能と言えます。

 本記事では、Webプッシュ通知の概要を説明するとともに、AngularのPWA対応機能を利用して、Webページからのお知らせをWebプッシュ通知で送信する想定でサンプルを実装していきます。

対象読者

  • Web技術でスマホアプリを作成したいWeb技術者の方
  • Webプッシュ通知を手軽に利用してみたい方
  • プッシュ通知を送信して、Webページ利用を促進したい方

必要な環境

 Angularの開発ではTypeScript(変換してJavaScriptを生成する、いわゆるAltJS言語)が利用されます。本記事のサンプルコードもTypeScriptで記述しています。

 今回は以下の環境で動作を確認しています。Webブラウザーは、PWA機能が動作確認しやすいGoogle Chromeを利用します。なお、今回のサンプルは、Webプッシュ通知に対応するMicrosoft EdgeやMozilla Firefoxでも動作します。EdgeとFirefoxのいずれも、受信したプッシュ通知を画面に表示できますが、Edgeではプッシュ通知受信イベントをWebページで受け取る処理(後述)が動作しません。

  • Windows 10 64bit版
    • Angular 7.0.1
    • Angular CLI 7.0.3
    • Node.js v8.12.0 64bit版
    • Google Chrome 70.0.3538.77

 サンプルコードを実行するには、サンプルのフォルダーで「npm install」コマンドを実行してライブラリーをダウンロード後、独自定義した「npm run pwa」コマンドを実行して、ブラウザーで「http://localhost:8080」にアクセスします。

Webプッシュ通知の仕組み

 まず、Webプッシュ通知が送信される仕組みを説明します。Webプッシュ通知を構成する要素は表1の通りです。Webページとサーバーは開発者が実装します。プッシュサービスは、一般にWebブラウザーのベンダー(例えばChromeならGoogle)が提供します。

表1:Webプッシュ通知の構成要素
No. 構成要素   説明    
1 Webページ  プッシュ通知を受信するWebページ
2 サーバー プッシュ通知を送信するサーバー
3 プッシュサービス プッシュ通知を仲立ちするサービス

 最初に、利用者がWebページを表示したり、Webページでお知らせ通知の受信を希望したりしたタイミングで、Webページからプッシュサービスにプッシュ通知の登録(Subscribe)を行います。登録が成功すると、プッシュサービスはAPIのURL(エンドポイント)など、プッシュ通知の送信に必要な情報を返します。Webページはその情報をサーバーに送り、サーバーはそれらを保存しておきます。

図1 プッシュ通知登録のフロー
図1 プッシュ通知登録のフロー

 プッシュ通知でお知らせを送信するときは、保存しておいたエンドポイントなどの情報を利用して、サーバーからプッシュサービスにプッシュ通知の送信を要求します。プッシュサービスは、その要求に基づき、Webページにプッシュ通知を送信します。

図2 プッシュ通知送信のフロー
図2 プッシュ通知送信のフロー

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この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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