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TISとDTFA、分析結果を最短1日で1件10万円から提供する企業分析AIサービス「Finplus」を提供開始

 TIS株式会社は18日、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、DTFA)と、両社で蓄積してきたナレッジを搭載した企業分析AIエンジンにより財務諸表(BS・PL)データなどを基に、「財務諸表分析」「株式分析」「経営分析」の結果を最短1日で提供する、企業分析のAIサービス「Finplus(フィンプラス)」を提供開始すると発表した。

 Finplusは、TISが法人与信管理やレンディング(貸付・融資など)分野で蓄積した知識・ノウハウやスキルと、DTFAがファイナンシャルアドバイザリー(FA)事業で蓄積したノウハウを融合し、共同で構築・提供する企業分析サービス。

 直近3カ年分の貸借対照表・損益計算書データなどを基に、両社で蓄積してきたナレッジを搭載した企業分析AIにより、「財務諸表分析」「株式分析」「経営分析」の3つの観点で対象企業を分析し、利用者が正確に内容を理解できるよう帳票で分析結果を提供する。

 初回の企業分析時には、対象会社の直近3カ年分の貸借対照表・損益計算を「Finplus」へアップロードしてから、翌営業日を目途に、PDF形式で約50ページにおよぶ詳細な企業分析レポートを提供する。また、初回分析結果に対して、割引率やFCFの値を変更するシミュレーション依頼では、依頼後即時に結果の確認が可能となる。

 専門家に依頼して行う従来の方式から、10分の1程度の期間での分析結果の確認が可能となる。また、価格についても、定額でサービスを利用する場合には、1件当たり10万円と低価格での企業分析が行える。

 分析結果では、全体感を示すエグゼクティブサマリから始まり、「財務諸表分析」「株式分析」「経営分析」の3つの視点で、初期検討に必要な情報を提供。また、分析や用語などに不慣れなユーザーにも分析結果の確認が十分に行えるよう、分析アプローチの考え方や各種用語などについての解説ページも合わせて提供する。

 財務諸表分析では、財務諸表上の留意事項や今後の対応についての分析結果をフィードバック。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の分析結果を図表出力し、全数百項目におよぶポイントレビューを実施し、確認が必要な事項にはコメント出力する。

 株式分析では、インカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチなどの一般的な分析手法を適用し、簡易的な株式分析を行う。インカムアプローチ、マーケットアプローチそれぞれに感度分析結果を図表出力する。

 経営分析では、収益性、効率性、安全性、流動性、生産性などの観点から経営分析を実施し、業種平均値との比較結果をフィードバックする。一般的な経営分析の経営指標に基づき、対象会社の分析結果をレーダーチャートなどで出力。業種平均値との比較結果を帳票に出力し、指標ごとの確認を可能にする。

 TISとDTFAは、Finplusを都市銀行・地銀・信金などの金融機関や事業会社で事業戦略を担う担当部門向けに展開していくとしている。