AI活用で記憶定着を効率化するeラーニングシステム「Monoxer(モノグサ)」運営、UB VenturesやiSGS IWなどから約1億円をシード調達

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コーポレート・事業開発 小口健太氏、代表取締役 CEO 竹内孝太朗氏、CFO 細川慧介氏、代表取締役 CTO 畔柳圭佑氏、エンジニアリング 加藤宏紀氏
Image credit: Monoxer

AI を活用し記憶を定着させる e ラーニングシステム「Monoxer(モノグサ)」を開発・提供するモノグサは17日、UB Ventures、iSGS インベストメントワークス、ツネイシキャピタルパートナーズから総額1億円を資金調達したと発表した。シードラウンドとみられる。リードインベスターを務める UB Ventures は、今年6月に設立されたユーザベースの VC 部門。ツネイシキャピタルパートナーズの関与は戦略的出資であり、同社の親会社である常石グループとは、外国人労働者向けの日本語教育などの協業を検討するとしている。

<参考文献>

モノグサは2016年8月、リクルートや Google 出身のビジネスデベロッパやエンジニアらにより設立。これまで半ばステルスのような形でサービス開発に邁進してきたようだ。今年5月からモバイルアプリ「Monoxer」の有償提供を開始している。Monoxer は、AI を活用したアダプティブラーニングにより、知識習得や記憶定着を可能とするプラットフォームだ。覚えるべきこと(回答例)をデータインポートすると、その答を導き出すための問題を Monoxer が自動生成してくれる。

Image credit: Monoxer

誰しもテスト勉強の前になると、赤色や緑色の暗記用のチェックペンとプラスチックシートを使って、通学電車やバスの中で最終チェックに余念が無かった記憶はあるだろう。Monoxer はまさにこの行為をデジタル化してくれるもので、正しく回答されたかどうかによって、ユーザ毎に難易度の異なる出題がなされ、繰り返しチェックすべき項目が最適化されるので、効率の良い学習が可能になる。

留学予備校大手のアゴス・ジャパンでは TOEFL テスト対策教材に Monoxer を取り入れており、TOEFL スコアが30%以上改善されるケースが出ているそうだ。また対象となるユーザは日本人だけでなく、在日外国人などが漢字を書けるようになりたいという需要にも応える。回答がわからない場合は、「写経モード」という正答が薄く表示される機能が活用でき、ニッチな学習ニーズにも対応可能。

テストというのは記憶が定着しているかどうかを評価するためのチェック機会であって、そもそもは手段であり目的ではない。Monoxer であれば、当該ユーザの記憶の定着度を定性的・定量的にリアルタイムで把握することができるので、究極的にはテストを不要にすることもできるのかもしれない。

Monoxer のビジネスモデルは現在、1アカウントあたり年間3,000円という B2B2C のモデルである。将来は学生よりも社会人の需要が高まることを想定しており、各種検定協会と提携してのクレデンシャルの発行ビジネスなども視野に入れているようだ。来年以降は海外への進出も計画中。同社では今回調達した資金を使って、エンジニアやカスタマーサクセス担当の獲得を強化する。

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